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報連相が大事だなと言う話

学生の頃、アヒージョにハマり毎週何かしらの形でサークルのメンバーと作っていた時期がある。

次の週末はサークル同期のふぁーぶる君の家で作ることになった。


彼はあだ名の通り昆虫にとても詳しく、全体的に自由な人柄の人であり情に厚く、よく酒を飲み、間違っていると思ったらちゃんと指摘する人である。
僕は彼を好ましく思っている。

初めて会ったのは大学1年目の夏のサークル旅行のとき。

自由時間、みんなで湖に行った時に彼はバタフライで泳いでいた。
そこは遊泳禁止だったので、地元の人に「彼を止めてくれ」と言われていて初めて存在を知った。
僕は彼を好ましく思っている。

さて

いつものエビのアヒージョはもはや定番すぎる、ということでふぁーぶるがウチダザリガニ(食用)を2kg取り寄せた。
僕は前からザリガニを食べてみたかったので、結構楽しみだった。
ほかのメンバーもみんな優しいので特に不満はなさそうだ。

ふぁーぶるの提案でパエリアも作ることになった。
僕はパエリアが好物なのでとても楽しみに週末を迎えた。


当日。

朝10時にふぁーぶるの家に集まって、買い出しが必要な食材の検討をしていると
「あれ?サフランとかあるの?」
と気づいた。
サフランは米を黄色に着色してくれる調味料で、これがないと白米にザリガニが乗ってる炊き込みご飯になってしまう。

ふぁーぶるに聞くと「あるから心配いらへんで」とのことだ。


さすがこの男、普段から虫の収集のために日本を飛び出しているだけある。

ちなみに彼は昆虫収集家であり、家の冷蔵庫にはヒト用の食材と一緒に虫の標本が入っているし、標本作成用の針をカーペットに落として回収してない時があるため座る場所によってはカーペットの下から針が出てきて刺してくるというとんでも屋敷に住んでいる。

こんな環境であれば、一人暮らしの男子大学生の家にはおおよそなさそうな調味料であるサフランを常備しているらしい。


近所のスーパーではサフランは買わずに、アヒージョ用のオリーブオイルやパエリア用の貝類などを購入。

帰宅してザリガニの甲羅をみんなで剥いてアヒージョ班とパエリア班にわかれて作業をした。ちなみにザリガニって割と図体大きいくせに剥いてみると思ってた1/3程度しか身が取れなくてちょっとしょんもりする。


ふとパエリアの準備をしていた家主ふぁーぶるを見るとその手には「S&B カレーパウダー」が握られていた。
僕の視線に気づいた彼は

「カレーパウダーで代用できるらしいで、調べたら。」

「お前それ出来上がるのカレーピラフじゃねえか!」

結局その日はザリガニのアヒージョとザリガニのカレーピラフを食べた。

報連相がしっかりしてれば。。

*ザリガニは思ったほど美味しくなかったので、後半は買い出しの時にこっそり買ったエビでアヒージョした。

*東京で家に虫が出た時は写真を撮ってファーブルに送ると秒で名前と特性が帰ってくる。

*パリ自然史博物館でも虫の写真を撮って解説してもらいながら歩いた。



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