何かが麻痺してくる体験~『ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌』感想~

『ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌』を見た。
とにかく、冒頭から凄まじい銃撃戦の連続だ。狙いをつけて弾を発射するというより、無限に弾が出ることを前提とした「とにかく撃つ!撃って撃って撃ちまくる!」というスタイルのガンファイトにはただただ唖然とさせられる。頭など致命的な場所に当たらない限りは『2~3発、弾が体に当たっても命は落とさないし、何ならちょっと我慢すれば走り回れる』というルール(この映画に限る。現実には適用されないので注意)も、余計なことを気にせず劇中の火薬量を増大させて、映画に迫力をもたらすことに成功している。
また、無限に出てくる弾に対応するかのように、主人公たちが撃ち殺していく敵も、湧いて出てくるかのように大量である(巻き込まれる一般人も大量)。ひたすら撃ち殺されていく人を見ていると、なんだかこちらの常識感覚というか何かの平衡感覚が次第に麻痺していくかのようだった。

決して長い映画ではないのだが、途中で休憩を入れたくなるような強烈な映画体験になることは間違いない。

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