完成!つきのかたちバージョン1
こんにちは。FUJIYAMA BRIDGE LABの石岡です。
婦人科へのアクセシビリティ向上と女性の自己決定をサポートするサービスの開発を行っています。
ついに完成しました!働く女性のための婦人科受診サポートサービス「つきのかたち」バージョン1
”バージョン1”と銘打ったのは理由があり、こちらについては後でご説明します。
早速ですが、「つきのかたち」のサービス内容をご説明させてください。
つきのかたちは、「性差によって生じる働くハンデの解消を目指す」をコンセプトに、月経・更年期の不調を抱える女性の婦人科受診をサポートすることで、信頼のおける医療機関につながってもらうためのサービスです。
企業向けの福利厚生サービスで、3ヶ月のサポートパックとなっています。企業からサービス料をいただき、女性従業員さんがかかりつけの婦人科を見つけるサポートをさせていただきます。
つきのかたちのサービスは3ステップ
◆ステップ1◆まずは従業員サーベイで現状把握
女性に月経があるのは自明ですが、タブー感が強いのも事実。気の合う同僚同士では相談し合うこともあるかと思いますが、上司に月経や更年期の相談をするでしょうか?男性上司だったらなおさらです。
「自社の女性従業員は月経、更年期に困っているのだろうか?」「月経・更年期の不調を改善する費用対効果はどんなものだろう?」と考える福利厚生や健康経営の担当の方は多いのではないでしょうか。
そこで、つきのかたちでは、女性従業員を対象にした約60問のアンケートを実施させていただきます。
サーベイの質問を一部抜粋させていただきます。
〈月経や更年期症状による仕事のパフォーマンス低下を測る質問例〉
Q:月経や更年期症状の不調がない日のパフォーマンスを10とし、月経で不調を感じている期間に出勤した日の仕事のパフォーマンスが平均でどのくらいか教えてください。
〈更年期症状によるキャリアへの影響〉
Q:更年期症状と思われる症状を抱えながら働くことに対して、これまで感じたことがあるものについて全て選んでください
①これらの症状による不調を抱えながら、働き続きることに不安を感じた
②興味のある業務があるが、挑戦することに不安を感じた
③新しい環境や部署で働いてみたいが、難しいと感じた
④これらの症状による不調を抱えながら、昇進することに不安を感じた
⑤評価において、これらの症状による不調によって業務効率が落ちていることが影響していると感じた
⑥その他
⑦キャリア形成に不安を感じたことはない
〈社内環境の改善ポイントを明らかにする質問〉
Q:女性特有の体調不調で休むと伝えた時に、上司や同僚から嫌な顔をされたことがありますか
Q:在宅勤務やフレックス勤務等、柔軟な勤務制度は部署にありますか。十分に利用できていますか
Q:体調不良時に、短時間休憩するスペースがありますか
これらのサーベイにご協力いただいた上で、月経や更年期症状による企業様の労働損失を金額として算出します(つまり、月経や更年期症状の不調が改善すれば損失せずにすむ金額です!)。また、職場環境の改善ポイントもご提案させていただきます。
◆ステップ2◆セミナーで婦人科受診に目を向けてもらう
インタビューを重ねる中で、「婦人科に行ったほうがいいとは思うけれど一歩が踏み出せない」という方がとても多いことがわかりました。
日本医療政策機構の「働く女性の健康増進調査2018」によると、月経やPMSに関する悩みがあっても婦人科や産婦人科を受診せず「何もしない」人が最も多いということです。
インタビューを重ねる中で婦人科受診をためらう最も大きい理由は「私は婦人科を受診するほど重症なの?」という疑問でした。月経の悩みも痛みの感じ方も十人十色。そもそも「これ以上の痛みは婦人科へ」といった基準はなく自分が辛いと思ったら婦人科を受診でいいはずなのですが、みんな我慢しているし、、忙しいお医者さんの手を煩わせてはいけないし、、という遠慮深い女性にたくさん出会いました(みなさん本当に日々頑張っている!)
だから、セミナーの中では、月経や更年期の基礎知識、婦人科での診察内容の講義に加えて、ご自身の状態をチェックしていただける簡易的な問診「お悩み診断」をスマホで体験いただきます。
体験いただいた女性からは「私ってやっぱり生理が重い方だったんだ」「更年期症状か分からなかったけど、そうかも知れない。病院で検査してもらおうと思います」といった声が聞かれました。
正しい知識のインプットと、ご自身の状態を知ることによって、婦人科に行ってみようかなという気持ちになっていただくことが狙いです。
◆ステップ3◆応援ドクター紹介と医療費キャッシュバックで受診の最後の一押し
婦人科に行きましょうというお題目を与えられても、なかなか一歩を踏み出せないのが常。「じゃあ私に合うお医者さんはどこにいるの?」というのが女性の本音だと思います。そこで、私達は「すべての女性のお悩みに寄り添う」という理念に共感した地域のドクターをネットワーク化。「応援ドクター」としてセミナーを受講いただいた女性に紹介いたします。エリアやこだわり条件での絞り込みも可能。希望にあったドクターに出会うことができます。
さらに、企業からいただいたサービス利用料の中から、セミナー受講から3ヶ月以内に婦人科を受診した方には、上限3000円まで費用を補填。お金の負担が軽減されるならちょっと行ってみようかな、という気持ちになりませんか?
婦人科は女性の人生の伴走者。従業員の女性に長く健康で生き生きと働いてもらいたいと考える企業様に多く出会ってきました。企業様とつきのかたちで、従業員女性のかかりつけ医を見つけるお手伝いができればと思っています。
従業員女性の健康支援は企業にとっても喫緊の課題
政府は女性管理職比率「30%」の目標を立てています。少数派の層が全体の30%を超えると、意思決定に影響力を持つそうです。つまり管理職の中で女性が30%を超えると多様な意見が生まれやすくなるということです。
一方で、45%の働く女性が月経関連症状によって仕事のパフォーマンスが半減した(※日本医療政策機構「働く女性の健康増進に関する調査2018」より)、更年期症状のある女性の50%が、症状によって昇進を辞退した経験がある(※ホルモン推進プロジェクト「女性の体調と仕事に関する調査」より)としています。女性の特有の健康課題が、女性のキャリアへ少なからず影響しています。
また、月経による仕事のパフォーマンス低下や休みを取ることによる労働損失は4911億円、更年期症状による労働損失は4200億円ともいわれています。
しかし、このキャリアへの影響も労働損失も、医療に繋がり適切な治療を受けることでなくすことができます。
なぜ、女性は医療に繋がらないのか?それは「知らないから」たったそれだけです。日本では月経、更年期のタブー感も強く、特に性を含めた自分の体について子供の頃に学ぶ機会が少ないのが現状です。
だったら、企業がその学びの機会を提供してもいいのではないでしょうか。それによって女性が長く健康で働き、管理職にもなって、多様な意見が生まれれば会社の売上もアップする!女性も企業もWin-Winではないでしょうか?
バージョン1と銘打った理由
最後に、現在のサービスは「バージョン1」であるとした理由をお話できればと思います。
現在、つきのかたちはまだまだ発展途上です。セミナーで意識を醸成し、信頼の置けるドクターの紹介と医療費のキャッシュバックがあれば受診率は上がるのか?このサービスは本当に企業ニーズを叶えられるのか?まだまだ仮説段階です。
だからこそ、女性の働き方を改善したい、エンゲージメント高い組織を目指したいと考える企業様に使っていただきながら、さらにサービスを磨き込んでいく段階です。
サービスを今後さらに良いものとするためにも、まだ発展途上で大変恐縮な状態ではありますが、ご協力いただける企業様にぜひぜひ使っていただき、ご意見をいただきたいと思っております。
つきのかたちにご興味を持っていただいた方は石岡(m-ishioka@shizuokaonline.com)までお気軽にご連絡ください!