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「女性が管理職になりたがらない」の裏にあるものは?
こんにちは。
FUJIYAMA BRIDGE LABの石岡です。
婦人科へのアクセシビリティ向上と女性の自己決定をサポートするサービスの開発を行っています。
先日、静岡県内の社会課題解決を目指す有志グループ「しぞー会」主催のセミナー「静岡から始める女性活躍の第一歩〜現状を知り、取り組み事例に学ぶ〜」に登壇させていただきました。
まずは静岡県職員さんから、県の女性活躍の現状と取組みをシェアしていただいた後、女性活躍に力を入れる企業さんとのパネルディスカッションを開催。
私は、パネルディスカッションで、フジ物産の女性登用推進執行役員の広瀬さん、静岡鉄道人事部の大山さん、川﨑さんとご一緒にお話させていただきました!
ディスカションでは女性の管理職登用の話題に。
ある企業さんから、「これまでは、現場職を経験した方が管理職に就くのが原則で、現場に女性が少ない弊社は必然的に管理職に就く女性が少なかったです」とお話がありました。
しかしその企業さんでは、意思決定層に女性がいると多様性が生まれ会社が必ずよくなるという思いの下、女性活躍を推進。
①重いものを持ち上げるなど体力が必要な現場ではサポート器具を付けて、女性が現場でも働ける環境を整える
②考課ポイントを見直し、現場を経験していない女性も管理職に就けるルートを確保する
という二軸で改革を進めているそうです。
私はこのお話に大変感動しました。
そうです!一見ハンデに見えることも、適切なサポートがあれば男女関係なく働けたりキャリアを諦めたりしなくていいのです。
ここで少し考えてみたのは「現場経験のない女性」が「管理職に就くルートがない」こと。日本企業でけっこうあるあるなのではないでしょうか。
「現場経験のない女性」と「管理職に就くルートがない」に分けて考えてみましょう。
まずは「現場経験のない女性」から。
現場職に女性が少ないというのを因数分解すると、
①現場は体力が必要なため女性より男性が多い。
②じゃあどこに女性がいるかというと、総務や人事などいわゆるバックオフィス。
続いて「管理職に就くルートがない」。
こちらを因数分解してみると、
①現場を分かっていないと会社全体の業務を把握できない。
②女性は、育児や介護などのライフステージの変化で離職したり、仕事を離れるケースがある。その分、管理職相当の年齢に当てはまる女性がいない、またはキャリアアップが男性と比べて遅れる。
ここではたと思ったことがありました。
「女性が多いと言われるバックオフィスの仕事では、会社全体の業務を把握できないのか?逆に現場しか経験していない社員はバックオフィス業務を把握していないという意味では同じでは?」
「女性のライフステージの変化が仕事に影響しやすいというのは社会の問題なのに、それによって女性個人のキャリアが阻害されるのは問題では?それに、24時間お世話が必要な乳幼児の育児は究極のマルチタスクと言われるし、時短で働いているママさんたちの業務効率化はやばい。産育休、時短はむしろキャリアの中断よりもキャリアアップなのでは?」
「女性が管理職になりたがらないとよく聞くけど、それって社会側の問題で、問題がなくなったら管理職になりたい人もいるんじゃない?」
今回のセミナーの後は交流会もあり、参加者の方とお話させていただいたのですが、皆さんこの考えに共感してくださる方ばかりなのでは?とお話していて感じました。
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だからこそ、先述の企業さんの女性管理職登用の考え方↓
①重いものを持ち上げるなど体力が必要な現場ではサポート器具を付けて、女性が現場でも働ける環境を整える
②考課ポイントを見直し、現場を経験していない女性も管理職に就けるルートを確保する
に私は大変感動しました。私のもやっと考えていたことを言語化して施策に落とし込んでいらっしゃる!!そして適切なサポートを提供することで女性の選択肢を広げていらっしゃる!!
女性はライフステージの変化が仕事に影響しやすいというのは社会の問題ですが、これを根本から是正するにはまだ少し時間がかかりそう。
ざっくりとですが、20代は月経、30代は妊活、出産、40代は子育て、50代は更年期に親の介護・・・と女性は常にホルモンバランスとライフステージの変化と隣り合わせ。
月経に関連した症状によって仕事のパフォーマンスが約半分になる女性は45%(※1)、更年期症状を自覚している女性の内、昇進を辞退したまたは辞退しようと考えたことがある女性は約半数(※2)という調査結果もあります。
月経、更年期は多くの女性が不安や不調を感じるものですが、適切なサポートを施すことで軽減できることも確かです。
「つきのかたち」を提供することで、少なくとも月経、更年期を理由にしたキャリアの諦めがなくなる社会を実現したい!と感じました。
※1:「働く女性の健康増進調査」日本医療政策機構 2018年
※2:ホルモンケア推進プロジェクト「女性の体調と仕事に関する調査」大塚製薬 2021年