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ピアノで付点音符にする練習ってみんなやってるのかな?
先週に続き1週間ぶりのピアノのレッスンがあった。今弾いている曲は、湯山昭さんのピアノ曲集「こどもの国」から「ワルツ」、モーツァルトの有名な「ロンド ニ長調」。
「ワルツ」は、今回がはじめて。和音の変化が湯山さんらしく、左手と右手のテンポ感がズレるところがあるのも、湯山節。まだまだゆっくりでしか弾けないが、先生によると、テンポが速くなると、自然に歌えて、中間部の似たような音形がずっと続くところも、退屈しなくなると。
モーツァルトの「ロンド」は十六分音符の速いところが、先週よりもスムーズに弾けるようになって、褒められて嬉しかった。先生に以前から教えてもらっている、普通の十六分音符を付点音符と逆の付点音符にして弾く練習の成果が発揮されたようだ。自分はこの付点音符にする練習、あんまり好きではないのだが、これをみっちりやると速いパッセージが、不思議と弾けるようになる。この練習方法、はじめに普通の付点音符にして、ゆっくり、普通、速くの3段階の速度で弾いて、次に、逆の付点にして同じく3つの速度で弾いて、最後に付点はなしの楽譜通りで、これも3つのテンポで弾く。要は同じところを9回も取り出して変化させて弾くので、面倒で時間もかかる。この練習方法って、みんなやっているのだろうか?プロの演奏家もやっているのだろうか?けっこう気になる。
この付点の練習、先生も子供のころ習っていた先生から教わったそうだ。先生もこの練習方法、今も速いパッセージのある曲では必ず取り入れていて、何かの本番がある時は、直前までこの付点の練習をして、粒のそろった音にしていくのだそうだ。先生の先生は、ちょっとした表現にも気を配る方で、今のピアノの礎を作ってくれ、とても感謝しているとおっしゃっていた。
自分のモーツァルトの「ロンド」は、それなりのテンポで弾けるようになってきたのだが、先生はそれなりのテンポでは許してくれない。自分にとってはかなり速いテンポで弾かないと、先生の曲のイメージにあわないようだ。ゆっくり弾きがちな自分の横で、先生が指揮者よろしくテンポをとってくれる。テンポがスローダウンしがちな自分に鞭を打って、細かな表現も逐一、隣で指揮者のように導いてくれる。先生のおかげで、メリハリが出て、自然に歌えて、曲も生き生きしてくる。オーケストラも指揮者によって演奏が全く変わるのも、こういうことなんだろう。ちなみに先生の好きな指揮者は、小澤征爾さんだそうだ。
9月にある発表会に出る予定で、このモーツァルトの「ロンド」が、今のところ第一候補。先生にも是非と勧められた。しかし、「ロンド」の速いところ、緊張のあまりステージで暴走して、えらいことになってしまいそうな予感もして怖い。一度、発表会で暴走して、曲が空中分解して大変なことになった思い出がよみがえる。この曲を選んだら、ひたすら付点音符の練習をすることになるのだろうなと思う。でも、この「ロンド」をステージのスタインウェイのコンサートグランドピアノで綺麗に弾けたら気持ちいいだろうなぁ。
教室の発表会に出る大人は、半数以上がロマン派以降の曲を選び、ショパンが一番人気。ついでドビュッシー。一人、ベートーヴェンの曲が好きでよく弾く方もいる。いままで、6回ほど発表会に参加したが、モーツァルトを弾く大人には何故か、お目にかかったことない。なんとなく、モーツァルトはペダルでごまかすことも出来ず、技量がそのまま音になってしまいそうで、みんな避けている気がしなくもない。大人よりも、純粋な子供のほうが、モーツァルト上手に弾けるといった話しはたまに聞く。
あと、余談だが、タイトルの写真の絵画、東京駅から歩いて行ける、ARTIZON美術館という、タイヤメーカーのブリヂストンが運営する美術館にあるので興味のある方は是非訪れてほしい。