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面白かったマンガ紹介「あくまでクジャクの話です。」(小出もと貴)

こんにちは、アンリ・アンリです。
ネットで興味を持って面白くて購入したマンガを紹介します。

「あくまでクジャクの話です。」小出もと貴

この作品は「生物学」という視点で人間関係を面白おかしく、
時には冷徹に登場人物の心をバッサリ叩き斬るコメディマンガです。

簡単な作品紹介

この作品は主人公「久慈弥九郎(くじやくろう)」(教師)が生物学に造詣が深い生徒「阿加埜九音(あかのくいん)」(文武両道で超優等生でミスコン優勝経験ありのインフルエンサー)に、起こる問題に戸惑いつつ阿加埜ちゃんが生物学的視点で問題を叩き斬りつつ、何とか久慈先生のフォローで持ち直して問題が解決していく話です。
2024年10月現在2巻まで発売され、11月に3巻が発売予定です。


生物学としての引用

生物学としての引用は1〜2話毎に取り上げられており

  • 性淘汰

  • 利己的遺伝子

  • 進化的安定戦略

  • 闘争(ハト派とタカ派)

  • 性的欲求

  • 反応閾値

などがあります。


マンガのオチとしての展開

生徒の悩みを相談される久慈先生ですが、横から悩みを阿加埜ちゃんが何故ダメなのか生物学的視点でバッサリと無慈悲に答えてしまいます。
生徒はそんな残酷な事あって良いのか救いは無いのかと時には嘆き時には激昂します。

そんな時、阿加埜ちゃんはこう答えます。

「(生物学的に)そうだ。」

無慈悲以外、何者でもない。

そんな救いも欠片も無い結末が出されますが、
久慈先生が教師として人としての良いところを褒めて慰めたり、
取ってつけたようなポンコツ解決策を阿加埜ちゃんが答えたりして終了します。

ここで「ポンコツ」と言う単語が出て来ましたが、
阿加埜ちゃんは久慈先生の事が好きで、文武両道ですが
意外とポンコツな行動をしがちです。
と言うより見た目や成績などが彼女のイメージを周囲が勝手に思い描き、
彼女の本質に周囲が気づいていない気すらします。
そのギャップもこの作品の面白いところです。


生物学的要素の面白さ

この作品の根幹は登場人物の持つ日々の悩みを、生物学的なポイントを劇中で教えて貰う事で周囲が変化する所です。
それぞれのエピソードは面白いですが、私は性淘汰と反応閾値の話が好きです。

性淘汰のエピソードではルッキズムにうるさいご時世に逆向するように、
見た目が大事という部分を弱者男性に叩きつけてしまい、一度絶望のズンドコどん底に突き落とされてしまいます。私だったら号泣しそうです。



反応閾値のエピソードでは、真面目にやっているやる気真っ直ぐな生徒が、
普通なら評価されても良いところをやり過ぎてウザがられるという悲しい流れが起こってしまいます。人間それぞれ感覚が違うから、良いとされる部分が過敏過ぎる事で批判意見が出てしまうのが悲しいです。

この作品の良心、救いは久慈先生です。
結果として生きづらい生徒にも、
良い所があるんだと反論してくれます。
生物学的には弱者としての存在でも
存在する大切さを劇中で説いてくれるのは
心強いのでは無いでしょうか。


生物学的視点の参考文献

この作品を描く為に10冊近くの書籍名が記載されていますが、
大きな1つにリチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子」が挙げられています。
難解な本なので読んでまだ未読ですが、ネットミームなどで「生物は遺伝子の乗り物に過ぎない」と言う言葉を聞いた方もいるのでは無いでしょうか。
あまりにも単純だけど簡潔で残酷な言葉はなかなかありません。
機会があれば私もじっくり読んでみたいです。




いかがでしたでしょうか?
今後も面白い作品があったら紹介して行きたいと思います。
よろしくお願いします。

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