チェズレイ・ニコルズの誕生日によせて ドラマCD【バティミッションBOND ヴィンウェイより愛をこめて】紹介
本日11月20日、ゲーム【バディミッションBOND】の一人のキャラクターが誕生日を迎えた。
チェズレイ・ニコルズ。
私にクソデカ感情を植えつけ、涙腺を壊しに壊した男である。
今回は彼の誕生日を祝うとともに、彼とその相棒をメインにしたドラマCDを紹介する。
ちなみに記事一本目は近日中に改稿する予定。
煮詰めすぎてパッションがなさすぎた。
あと一本だけ書いて以来更新してなかったのは、別ゲーやってて全然終わんないからです。
メタファー リファンタジオっていうんですけど。
バチクソ面白いんでそっちもよろしく。
チェズレイの誕生日を祝おう
まずは誕生日おめでとう。
ゲーム発売4年目という激遅い出会いではあったものの、あなたに出会えて本当によかった。
あなたほど感情豊かで、愛情深くて、美しい人を初めて知ったよ。
私に言われるまでもないだろうけど、モクマさんと末永く共にありますように。
チェズレイ・ニコルズという男を紹介しますね。
知識ゼロでゲームをやりたい方は回れ右。また来てね。
二つ名は【仮面の詐欺師】。闇社会にその名を知らしめる大悪党。
驚異的な変装術と、催眠術を主とした人心掌握を用いて、己の美学に基づき、『下衆な悪党』を陥れ死に至らしめる、やべえ奴。
まず顔がいい。上背のある美人、最高や。
声もいい。声優は浪川大輔氏。ねっとり慇懃無礼美人、最高や。
性格はー……悪い。まあ悪い。悪いんだけど、そこにはちゃんと意味がある。
私はそこも含めて好きだ。
チェズレイという男のいいところを挙げたら全部いいまであるが、
私がクソデカ感情を植えつけられたのは、作中における彼の変化だ。
冷静、冷徹、仲間すら騙して試して、嘲笑う。
最初のうちはそんな印象ばかりが強い彼が、次第に素顔をあらわにしていく。
仲間との関わりを経て、新たな標的とした男・モクマとの関わりを経て。
彼の本当の心が見えてくるのだ。
その心の、美しさが好きだ。
心のままに言葉を発する彼の声が、優しく甘く変わるのが好きだ。
彼が求めていたもの、彼が得たものを知っていくにつれて、その切なさに涙がこぼれる。
そして同時に、私は彼が羨ましい。
生まれ持った才覚、積み重ねてきた膨大な努力、その心を曝せる相手を得たこと。
純粋な敬意と羨望を抱いている。こんなこと今までなかった。
だから私は彼が好きだ。
バディミッションBONDという作品において、チェズレイは一番ギャップが激しい人物だ。
物語を進めていくにつれ、印象ががらりと変わっていく。
悪党であることは一貫しているが、実に繊細な機微を見せる悪党だ。
魅力的と言わずしてなんとする。
……正直ここまでハマったキャラクターなんて全然いなくてですね。
自分でもまだ処理しきれてないんだよこの感情を。
どうしてくれんだほんとに。
誕生日に向けて推しネイルなんてしたの人生初だよ。
マジで。
なんで好きなんだろうって考えても全部好きなんだよな。困ったな。
誕生日おめでとう。
なんてのは置いといて、さてここで彼の相棒となる人物を紹介。
バディミッションBONDはまさしくバディ――相棒と紡ぐ物語。
チェズレイの相棒の名は、モクマ・エンドウ。
元忍者、すんげー強い忍者のおじさんである。
女性を見れば口説く、お酒が大好き、へらへらふらふらしたご陽気おじさん。
しかしその内側に、とてつもない闇を抱えている。
チェズレイとの関わりは、彼がモクマの闇を察知し、ちょっかいをかけるところから始まる。
「おっさんを小突き回してる」なんて言われるシーンがあるのだが、まさしくその通り。
事あるごとにチェズレイは彼を煽り、試し、闇を引きずり出そうとする。
モクマはそれを、時には軽くいなし、時には鋭く刺し返す。
彼の性分がなせるわざか、チェズレイより一回り近く年上であることの功か。
簡単には崩れないモクマに、チェズレイもどこか楽しんでいる節がある。
端から見れば一触即発のやり取りを続ける彼ら。
プレイしているこっちが何度ひやりとさせられたことか。
こいつらほんまにバディなんか? と思っていましたよ、ええ。
色々あって結果的に最高のバディになるんだけどね。
まーーーーーチェズレイという男、モクマさんへのクソデカ感情よ。
もうすごい。まーじですごい。
こっちのクソデカ感情なんて比にならない。
苛烈で繊細とかいうハチャメチャな美丈夫を、モクマさんはちゃんと受け止めて、応える。
互いに傷つけ、腹の内を暴き、本気で怒りと本性をぶつけあったからこそ、そのあとは全幅の信頼を寄せることができる。
この二人の関係性が一気に深く、深くなっていくのが、うん、たまんねえ。
刺さる人間にはこうして刺さるんだけど、人によっては急にいちゃつきだしたみたいな感覚になるのも確かにある。
でも大丈夫、落ち着いて、BLじゃないよ。
少なくとも私はBLとは思ってない。思えない。考えに考え抜いた結果、私感としては、まったくもってそうじゃない。
でも愛はすごい。
というところで、ドラマCDの紹介です。
ヴィンウェイより愛をこめて
というタイトルです。
ヴィンウェイは、チェズレイの故郷である雪深い北国だ。
多くの因縁が眠る地に、チェズレイはひとりで降り立つ。
ただひとつの目的を為すために。
このドラマCDは、ゲームのエンディングから1年9か月後の物語だ。
なので本編ネタバレがばしばし出てくるのだが、極力ぼかして紹介する。
ドラマCDとしては2本目で、1本目と話がつながっているのだが、
冒頭で振り返りの時間を設けてくれているので一応こちらから聴いても大丈夫。
ただ、少なくともゲームはやっていないと、この物語の旨味が半減以下だと思うので、さすがにゲーム完全クリアまではしておこう。
ヴィンウェイには、チェズレイの敵があまりにも多い。
休むことなく差し向けられる刺客、銃弾。数多の死線にチェズレイは一人で挑んでいく。
なぜか、得意の変装術も催眠術も封じた状態で。
そんな中、突然目の前に現れた人物に、チェズレイは戦慄する。
――モクマだ。
ストーリーとして言えるのはここまで。
ちなみにこのドラマCDは、チェズレイとモクマをメインにした作品である。
モクマの出番もしっかりあるのでご安心を。
総尺2時間5分。最初から最後まで、二人の関係性を濃密に味わえる。
ほの暗く、痛みを伴う、しかしそれすらも温かい、危険な二人の空気を。
この作品は、チェズレイの過去にまつわる物語だ。
ゲーム中でも描写はあったものの、他の主人公たちと比べるとチェズレイの感情含めぼんやりとしか描かれていなかった。
プレイヤーの想像の余地とされたのかと思いきや、ここであらゆる回答が示される。
なんならゲームからの伏線回収もある。
勘のいい人ならゲーム中で気づいたかもしれないが、私は鈍感の極みなので、ここで初めて気づいて号泣した。
あれもこれもネタバレで書いてて大変つらいのだが、
言いたいのは、この物語がめちゃくちゃ愛に溢れているということ。
チェズレイとモクマの関係。チェズレイと、もう二人の主人公ルーク、アーロンとの関係。
そして、チェズレイと――いやこれはゲームをやって自分で知ってほしい。
とにかく、色んなところで愛がすごい。
無償の信頼と愛が、もうなんかすごすぎて。
チェズレイとモクマの関係は、上述のとおり特殊な経緯を経ている。
そしてエンディング後には、互いに覚悟をもって、相手に向き合い続けている。
その絆の強さ、切実さをこのドラマCDでしんどいくらいに思い知らされる。
二人の関係に、名前をつけることが私はできない。
友情ではなにか足りない、恋愛感情では決してない、でもこれは愛だと、私は思う。
なので私は安易に、まーたいちゃついてるよ、と言ったりする。
脊髄反射でそう思っちゃうんだよ。いちゃついてんもん。
ゲーム中でも散々あったが、突然飛び出る物騒な一言すら、まるで告白のように聞こえる。
二人の間でしか交わされない言葉が、温度があるのだ。
うーん、いいなあ……。
これ以上語るとキモくなるばかりなので、本ドラマCDの好きなトラックと台詞をご紹介。
想像を膨らませたまえ。そして惹かれてしまえ。
トラック2
「伺いますよ。あなたの口から語ってくださることであれば、いつでも、いくらでも」
モクマの事を調べ尽くしていて、なおこの言葉が出るチェズレイさん。
トラック5
「なぜって、分かりますよ。私はその筋の人間なもので」
ヴィンウェイの空港に降り立ったチェズレイ。
仮面の詐欺師の、とてつもない情報収集能力を知らしめられるシーン。
トラック6
「三度目はねェぞ。……何の用だ」
悪党同士、チェズレイとアーロンの電話。
アーロンがいかにあらゆるところから機微を読み取っているか、そして仲間を気にかけているかが分かって、胸がいっぱい……。
トラック8
「ここにいる誰よりも、俺がいっとう、こいつを暴き立ててやりたいんでね」
こういう台詞が出るからモクマという男はさぁ。
経緯を考慮すると、すごく色んな意味をもった台詞だ。
トラック10
二人だけの空間だからこその空気、会話。
チェズレイとモクマの関係の深淵というか。最高すぎて涙が止まんねぇ。
トラック最後にめちゃくちゃしんどい(物理的に)シーンがあるんだが、浪川氏の演技が物凄い。
震えあがってしまった、そして同時にこのシーンがあるという事実に泣かされた。
トラック通してモクマの声音の変化もすごくて、これもまた泣けてしまう。森川氏ありがとう。
トラック11
なんかもうずっとすごい。私の感情がジェットコースター。
トラック12
「はい、あなたのピアノの先生です」
ルークに対するチェズレイの声音がまた違うのが、本当にいい。
トラック13
もうやめて……泣きすぎてつらい……。
トラック14
「――『ヴィンウェイより愛をこめて』かぁ」
ちなみに、この物語には書き下ろし楽曲が用意されている。
ドラマCDではショートバージョンが収録されているが、別のCDではフルコーラス版を聴くことができる。
タイトルは【Darkening Heart】。その尺6分47秒にも及ぶ、しっとり冬バラードだ。
歌詞があまりにも二人を表してて大変泣けるのでぜひ聴いてほしい。
さて、収拾がつかなくなってきたが、改めてチェズレイの誕生日を祝いたい。
本当に、生まれてくれてありがとう。出会ってくれてありがとう。
私の涙腺をずたずたにして、なお心を締めつけてやまないあなたのことを、これから毎年祝いたい。
そしてチェズレイを生み出してくれたバディミッションBONDにも最大限の感謝を。
美しいあなたへ、私から、愛をこめて。