鬱病治療に自分がやって効果があったこと
恋愛や仕事や日常生活。あらゆることに悩み、もう悩むのが趣味なのかと思われるほど悩んでいると、ある日突然体が動かなくなった。
きっとそんな風になったのは自分だけではないと思う。
糸が切れたようにと言うが、自分にとっては太い血管がブチンと切れた感覚が走った。当然そんな状態で仕事はできないので休職した。
職場にいけなくなってしまったのだ。
今は復帰しているが、休職中は罪悪感で胸がいっぱいで思うように休めなかった。かかりつけの医者も特に親身になって話を聞いてくれるわけでもなし、薬を淡々と処方するのみ。周りに頼れる友達はいないし、両親も心の病いに理解のある方ではない。
休職している間は悪夢だった。いつ戻れるかわからないし、風邪や怪我と違って心の病は、一体どこで治ったのか判別しづらい。
申し訳ないと只管思う時と、仕事中にミスをする悪夢を見て飛び起きたり、言ってしまえば休職しているのに心は殆ど休めなかった。休職の始めはうまく休めなかったのだ。今思うとこれは、休み方を知らなかったと言える。
普段から悩むのが趣味だった私は、心の余裕というのを持てなかった。元々ハンディを持っているので、気疲れしやすいというのもあるが、もう本当にあらゆることに目を光らせていた。歩き方は変じゃないかとか、喋り方や振る舞いが人を不快にしていないかとか。
今思うと、他人様はそこまでお前を見ていないぞと言えるのだが、当時は怯えながら暮らしていた。
「当時は」と言うくらいだから、今のお前は元気なのかと言われると実はそうではない。まだ鬱病の薬を投薬中であるし、昔より考え方が少し変わっただけで、根本的な解決には至っていないと思う。
しかし確実に前よりはマシだと言える。
今日はここに鬱病が改善した時、自分は何をしていたか記載していきたいと思う。幸いメモをしていたので書けることを書いて行こうと思う。
①体を動かす
鬱病の治し方と検索すると、本を読むと必ず出てくる体を動かす。お前もそれを言うのかと言われるだろうが、待ってほしい。体を動かすというのは、別に運動をしたり無駄に歩き回って日光浴をしろと言う意味ではない。
自分の抑圧されていた本能を呼び起こして暴れることである。
鬱病はただでさえ酷い脱力感に襲われ、立つことも出来なくなる病である。
私は運動できないのに、一体どうすれば体を動かせるのだろうと悩んだ。
そこで小さな動きから始めることにした。軽い運動のことではなく、まずは動画サイトで少しは心が躍るかな・・というような動画を再生する。
そしてその動画を観ながらちょっと楽しかったり嬉しかったり、ほんの些細な心の動きを感じたら、感情的にリアクションするところから始めた。
鬱は笑顔を奪い、感性まで奪っていく。少しでも心が動いたらそれに従い、体を動かすのだ。
動画の中身は何でもいい。何かのまとめ動画だったり考察する動画だったり、こちらが体を動かす必要のないものでも、なんでも。
それを見て少しでも驚いたり、笑える瞬間があったら顔に出す。演技をしているような気分だった。表情筋が凝り固まっており、「別にこのくらいで笑えない・・」と思っても動かしてみる。
笑ってみたり、怒ってみたり、驚いたようなリアクションをして見る。リアクションの参考はディズニーアニメのキャラクターが良いかもしれない。あのくらいやや大げさに表情をつけてみる。
馬鹿らしいと思われるかもしれないが、効果は絶大で、数週間やってみると徐々に表情がついてきて、感性が少しずつ戻ってくるのを感じた。
表情が出来たら今度は動きをつけてみる。音楽系の動画を聞いて歌ったりちょっとリズムに乗ったりしてみる。
楽しいから笑顔になるではなく、笑顔を作っているうちに楽しくなるというのはあながち嘘ではない。
②己の本能に従って行動する
これは人によると思うが、普段から「あれをやってはいけない」とか「あれを食べてはいけない」とか自分を抑圧している人は効果が見られると思う。
鬱になる人は真面目な人が多いとよく聞く。
普段から頑張らないととか、食べ過ぎたらいけないとか、遅くまで起きていてはいけないなどと考えながら生活していないだろうか。もっと細かいところまで行くと、風呂のお湯はここまでじゃないとダメとか、プリンを食べる時のスプーンはこれじゃないといけないとか。思っている人はいないだろうか。別にそうやって生きることで楽しいならストレスにならないだろう。
しかしそれが苦痛だった場合、ストレスは貯蓄されて心を病んでしまう。
私は休職中にそれを全部捨ててみることにした。法に触れるようなことを除いて、自分を押さえつけるのを止めた。
食べたいものは大量に食べ、布団の上ででんぐり返りをしたり、まだ飲んでいない紅茶があっても次の袋を開けたりした。
やりたいことをやって、暴れたい時に暴れた。これは症状が改善して動けるようになってからやると、効果があると思う。
本能に従って荒れ狂ってみると、違う視点から自分が見られて、今まで苦しんできたのは何だったのだろうと思える。
③友達に頼ってもいいが、言いたいことがあったら書いてみる
真面目な人に特にありがちな、「友達は忙しいし、自分の愚痴や悩みを聞かせるのは申し訳ないし相談できない」と言うパターン。私もそれで周りに相談できなかった。まあ友達なんてほとんどいないようなものなので、相談できない環境にいるというのが正しいだろう。
こういう真面目な人は、本当に辛い状態になっても一人で何とかしようとする。そして孤独に悩み続けて精神を病んでしまう。
辛くて苦しいことがあったら文章に起こしてみるのも手である。何でもいいので、Wordや紙を使って書いてみる。思ったことをずっと書いていると、心が落ち着いて自分が何に苦しんでいるか目に見えてわかるのだ。
これも元気じゃないとやれないことだが、余裕があるとやってみるといいだろう。そしてコツとしては、真面目に文章を書こうと思わないことだ。
「うるさい」とか「みんな消えろ」とかとにかく暴言も躊躇なく書くことが大事である。後から見た時に見苦しいとか、後のことは考えない。
私はこれで沢山放送禁止用語が並べられた日記を完成させてしまったが、心は少し晴れたので、良しとしている。
ぜひやってみて欲しい。
④一個だけでもいいので、心が少しでも動くものを見つけて、見る。
重度の鬱になってしまうと難しいだろうが、心の栄養を見つけるのも大事である。私の場合、どんなものを見ても表情も心も動かなかったが、何故かとあるキャラクターのMMDだけはぼーっと目で追いかけていると、ほんの少し、本当に微量だが心が動かされているのを感じた。
この本だけは読めるとか、これだけはできるとか、何か自分の心の栄養を探してみるのが良い。私の場合はMMDだが、何時間もその動画を観ているうちに、自然と苦しい気持ちがなくなっていくのを感じた。
YouTubeのコメント欄で「この動画は鬱に効く」と書かれているものがある。本当に効くかはわからないが、どこかの誰かにとっては心の栄養になっている場合がある。そういうわけで、心が動くものをずっと見続けるのもいいだろう。
⑤寝たきりになっても、それが治療なので仕方ないと思う
私も体が動かなくなったことがあった。酷い時には食事もとらず、風呂にも入らず、不潔な状態で何日も昼夜逆転しながら生活している時があった。
典型的な鬱の症状だが、当時はあまりにも情けなく感じたものだ。
人生を無駄にしていると感じて辛いかもしれない。
しかし風邪をひいたときや、インフルエンザになった時、高熱で体が動けない時、あなたは風呂に入ったり仕事をしたりするだろうか。
そんなことしている暇があったらさっさと病気を治せと誰もが思うだろう。
そもそも鬱病とは気持ちの問題ではなく、脳の機能障害である。沢山ストレスを浴びたせいで、頭がおかしくなっているのだ。高熱の時と変わらない。
だから寝て良い。病気なんだから仕方ないだろ、お前こんな状態の人を働かせるなんて非常識もいいところだ。しょうがないだろ、鬱病なんだから。
そういう気持ちで好きに寝ていよう。
ぼーっとしている時間は途方もなく感じるだろうが、ある時歯を磨けるようになったり立って少し散歩できるようになる。
風邪をひいたときだって、「どうしよう永遠に治らなかったら」と思うだろうか。鬱病も病気なのだから改善する。だから心配することは何もないのだ。
こんな感じで、私が鬱病が酷い時にしていたことをまとめてみた。
少しでも参考なれば嬉しい。
私と同じで鬱で苦しんでいる人は仲間だ。丁寧に生きようとしたのだろう。でも大丈夫だ。案外雑でも物事は回るし上手くいくし、怒られない。
鬱を抱えながら仕事をしている人は本当に大変だと思う。
もし職場で辛いことがあったり、何か言われたりしたら
「は?こっちは鬱病なんだけど、そんな俺に何してくれてんの」と思っていい。
皆さんの辛い状態が少しでも改善することを祈っている。
一緒に頑張ろうじゃなくて、一緒に今日も何となく生きて行こう。そのうち元気になってから、また何かに挑戦しよう。
病気になった自分には優しくするのが一番である。
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