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任せるコツ

良いリーダーになるために大切なのは、相手の成長を心から願い、信頼関係を築くことだ。

私は小学校教師として10年間、子どもたちと関わってきた中で、この真理を実感している。

人は誰しも、自分の可能性を信じてくれる人がいると、思わぬ力を発揮するものだ。

先日、授業中に騒がしくなった5年生のクラスで、注意する代わりに「みんなはどうしたら集中できる環境が作れると思う?」と問いかけてみた。

すると子どもたち自身から「お互いに声を掛け合おう」「廊下側の窓を開けて換気しよう」という具体的な提案が出て、自主的に改善していった。

この経験から、答えを与えるのではなく、考える機会を作ることの大切さを学んだ。

また、不登校気味だった6年生の児童に対して、得意な図工の時間に他の児童の手伝いをお願いしたところ、徐々に教室に来られるようになった。

その児童は、自分の存在が誰かの役に立つという実感を得て、少しずつ自信を取り戻していった。

相手の意欲を引き出すには、目的を明確に示し、選択肢を与えることが効果的だ。

ただし、これは一朝一夕にはいかない。

そして何より大切なのは、日頃からの丁寧なコミュニケーションと配慮だ。

些細な変化に気づき、適切なタイミングで声をかけることも、リーダーの重要な役割である。

たとえ期待通りの結果が出なくても、相手を信じ続けることが重要である。

むしろ、うまくいかない時こそ、その人の可能性を信じる姿勢が試される。

相手の強みを活かし、役立つ機会を作ることで、自然と信頼関係が築かれていく。

この信頼関係こそが、人々の自主性と創造性を引き出す土台となる。

現代社会が求めているのは、目立たずとも確かな影響力を持つ、空気のようなリーダーだ。

それは、強制や命令ではなく、共感と信頼で人々をつなぐリーダーである。

#教師の学び
#リーダーシップ
#信頼関係の築き方 ​​​​​​​​​​​​​​​​

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