神輿は、日本の職人の粋を集めた総合工芸
かれこれ2年、神輿を担いでおりませんが、恐らく大多数の地域ではこの2年間、御神輿を蔵や倉庫に仕舞いっぱなしなんだと思われます。
自分の地元の神社の神輿も仕舞いっぱなしで、よくよく考えれば「風を通してあげた方が良いんじゃないか?」とかって、ちょっと心配したりもします。
もっと言えば、そろそろ修理に出した方が・・・って言うことも頭を過ぎったりして。
最近、YouTubeで見かけたKyodo News「東京職人」というシリーズ。この中に「神輿」特集を発見。ここでは、神輿職人の親方のお仕事が紹介されていました。
神輿というのは「骨組みを作る、木地師。飾り物を制作する、彫師。鋳物師や塗師など、様々な職人に親方が指示を出して、組み立てられる」ということを教えてくれています。
もちろん、修理も大事。神輿の職人の親方は神輿の修理にも、手間暇をかけるんです。
年に1度、あるいは2,3年に1度しか日の目を見ない神輿ですが、大勢の担ぎ手が威勢よく担ぎますから、当然細々とした破損やら歪み、ズレなどが出てきますね。飾りが取れてしまったり、劣化して塗装が剥げてきたりなど。
ただ、多くの御神輿はしょっちゅう修理なんかには出せません。当たり前ですけど、それ相応の金額が掛かりますからね。それに運ぶのだって大変ですし。
でも、しっかり修理を施して、ちゃんと手入れがなされた神輿は、やっぱり綺麗で神々しい。神様が乗る「興し」ですからね。そうじゃないといけませんよね。
「神輿」というのは、英語では「Portable shrine」。
つまり移動式神社。神輿を作ることは神社を作ることと、ある意味同じなんだと思うんです。
その職人さん達は、この分野でもご多分に漏れず高齢化と後継者不足で技の継承に不安を抱えていらっしゃいます。
すでに2年という月日が経ち、その仕事は恐らく激減しているでしょう。このままだと、神輿を作ることも修理することも、極々僅かな職人さん達に頼らざるを得なくなるかもしれない。
神輿好きな私としては、まだまだこの先も神輿を堪能していきたい。だから、神輿職人さんにも想いを馳せていかなくては!と思った次第。
「神輿は、日本の職人の粋を集めた総合工芸」
この文化をいつまでも残していきたいと切に願って。