健康的なバターに出会う、ずっとずっと前の話4~私の恋愛黒歴史~
14. 2013年7月
▶Previously on Majimena Butter
また突然、
気まぐれに彼から連絡がきた。
先輩とのことがあったので、
警戒しながら電話を取った。
彼は、また私に会いに来ると言っていた。
「会いに来ないで」と言っても、
無駄だった。
彼にも先輩にも、私の「イヤ」はまるで効力を発揮していなかった。
彼が会いに来て、いつも通りホテルに行った。
ベッドで戯れていた時、
彼は唐突に「付き合おっか」と言ってきた。
続けて、
「でも最初に、聞いときたいことあるんだけど。」と
彼は言った。
私がやっとのことで「何?」と聞くと、
私の顔をまっすぐ見て
「ほんとに、先輩とはなんもなかった?」
と聞いてきた。
彼は以前から、私と先輩の仲がいいことを知っていて、
いつも「お前らヤってんでしょ」と疑っていた。
でも、今回は本当にヤっちまった後だから、
私は驚きすぎて、何も言えなかった。
もしかしたら、彼は、誰かから私との話を聞いていて、
既にコトの全容を知っていたのかもしれない。
そして、真実を話すのか、嘘をつくのか、
私を試していたのだと思う。
話しても、話さなくても私の負けだった。
「付き合う気持ちは変わんないから、話して。」と
彼は言った。
愚かにも私は、その言葉を信じてしまった。
彼に、先輩との関係の一部始終を話した。
彼のリアクションを見るのが怖くて、
「先輩との関係は、なんの意味もないし!!
ほんと、全然良くなかったし!」
とまで言ってしまった(ごめん先輩…でも本当に良くはなかったよ)。
Friendsで、ロスが、
レイチェルに言い訳しているような感じだった。
ただ、誰も笑っていなかった。
私は泣きたくなった。
「全然セックスが良くなかった」とか言われても、
誰の気も晴れない。
彼は明らかにうろたえて、
頭を掻きむしり、
ただ、「まじかー」と言った。
それから私がどんなことを言っても、
彼の耳には届かなかった。
彼を新幹線の入り口まで見送り、
最後にハグをした。
彼は、心ここにあらずという感じで、
「じゃ、また連絡するわ」と嘘っぽく言った。
でも、私はとことん、彼の言葉を信じていた。
彼から連絡が来たのは、それから2日後。
「やっぱ…付き合うって言ったの、忘れて。」
「だってさー、お前先輩とやっちゃうんだもん…。
もう無理っしょ。」
電話口で大泣きして
「考え直して、お願い」と懇願したが、
彼はもう私とは話したくないという感じだった。
「お前みたいな女を見てると、
胸くそ悪いわ」と言われているような声だった。
私への嫌悪感が、
電話口から漏れていた。
そして、私が懇願し続ける中、
電話は、勝手に切れた。
▶︎5に続く▶︎
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