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不健康なバターを断ち切った日

7️⃣  2016年8月

▶︎Previously on Majimena Butter前回までのお話

彼は、原因不明の病と戦うべく、計画を立てていた。
アメリカの有名な病院を、家族と訪ねる予定だった。
「もちろんチケットは取るから、君にも来て欲しい」と言われた。

アメリカには1週間滞在予定。8月の末から行く予定だった。
私は仕事の休みをとり、ESTAをとり、脱毛もした。
彼が絶対に喜ぶと思い、初めてVIOの脱毛をした。
「多分ジョンが喜ぶこと、やったよ」と電話で報告すると、「もう何をやったかわかった」と、すぐにバレてしまった。
そして、アメリカに渡る前にも、8月の初旬に、彼の仮住まいで会う予定だった。彼のパッキングを手伝う予定だったのだ。
そのためにも、私は仕事を2、3日休んだ。

直前に、その予定は流れてしまった。
彼が、私との約束を完全に忘れてしまっていたのだ。
「え?私そっち行く予定だったでしょ?飛行機のチケットも取ったのに」
「そうだった?でもこの日には、違う予定があって無理だよ」
仕方なく、無駄に取った休みは、家でダラダラとして過ごした。

それでも私には、アメリカ行きがある…!
彼が買ってくれた航空券のeチケットを何度も何度も見直して、とってもワクワクしていた。

友達にも同僚にも、「アメリカに行く!」と意気揚々と報告してしまっていた。後には引けない。

そう思っていたのに、アメリカに渡る2日前、ジョンが
「気が変わった」と言い出した。
「アメリカにはいかず、ここ(仮住まいがある場所)にしばらく残ることにする」と。

心が狭いと思われるのは重々承知だが、私は怒った。
病人だろうが何だろうが、人の都合を考えず、そんなことはありえない。相談してくれれば良いものを、もう彼は勝手に次のプランを決めていたのだった。

彼はまだ私を、都合の良い女扱いしているのだ。
お前は、俺の言うことを聞いていればいい。病気の自分の気持ちなど、お前に分かるはずがない。
そう決めつけられている気がした。

私が電話をしようとしても、「今は話したくない」の一点張り。「時間を置いてくれ」と言われた。

これがきっかけで口論になり、メッセージのやりとりで、私たちの関係はあっけなく終わった。

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