The 1st 「仕事」への返信
めいかちゃん、初投稿ありがとう!
30代中ごろに差し掛かると、年上の人と話すよりも年下の人と交流する方が緊張します(笑)←(笑)とかも古いのか?とかそういう細かいところも含めて…
次の世代を作っていく、潮流を作る人たちの価値観に追いついているのかな?と焦ってくるのは私だけじゃないと思います。
そんなちょっとした焦りもありつつ、めいかちゃんと往復書簡ができることが非常に嬉しいです!こんな熱烈な文章…全力で打ち返したいと思います。
今回はめいかちゃんのThe 1st「仕事」に対する返信という形で書いていきます。
決断することの「疲れ」
めいかちゃんの文章で気になった点があります。
これからどうやって働くのか。
女性のキャリアの築き方。
サラリーマンなんて…。と思う気持ちと、
仕事を通じてスキルを身につけていきたい。
という、どっちにも100%でうなずけない
(本からの引用)
結婚神話という名の強烈な価値基準があったから、女性にこれほどの選択肢はなかった。前例がないほどの選択肢の多さの中から、自分だけの答えを見つけ出さないといけない最近の女学生の苦労は大変なものでしょうね。"
と言ってくれています。
“寄るべない気分”
「どうして女性は、体力のほとんどを、生まれてきて数日のほうって置いたら死んでしまうような未知の生物の世話に持っていかれるのと同時に自己表現や自己実現のために働くことを求められるのか」ということです。
私がめいかちゃんと同じぐらいの年齢の時を思い返すと、世の中の見え方がだいぶ違う気がします。
痛いほどわかる気持ちもあるし、全部わかると言ってはいけない、そんな気がします。
国内市場が縮小の一途を辿る、貧しい国になっていく日本。
働き手不足、人口減少、超高齢化社会。
そしてここ数年でコロナという災厄が降りかかり、露見していなかった問題が顕わになってきていると思います。
社会のインフラを支える人たちの低賃金、長時間労働、出社義務。
根底にある、未だ高度成長期から変っていないザ日本型慣習の働き方、政治。失われた平成という30年間。
社会を批判する立場から、批判されうる社会を作る側に回ってしまいました。あっという間にサラリーマン歴10年目。
↑に書いたことが、本で読むことじゃなくて自分が実際に味わいまくっています。
クソみたいな社会(とか言って批判してバンドマンしてたんですが(笑))にずぶずぶ入ってもう10年目。あれいや、これいやと言っていたのに、気づいたら言われる側に回っていました。
いい歳してるくせに自分の無力感を感じるばっかりで、全然世の中いい方向に持っていけてない気がする。でも国内外の社会情勢はどんどん変わります。
自分が対応しきれなくても。
情報にアクセスしやすくなった今、私が20代の頃よりもはるかに多くの情報をインプットしていると思います。
私たち現代を生きる上で、予測不可能な世の中を前提とし、沢山の情報を頭にインプットし、多くの意思決定を行う必要があります。
これが本当に疲れるんです。
私がめいかちゃんの文章から察するに、めいかちゃんは意思決定に疲れているんだろうなと思いました。
わかる。私も疲れてる(笑)
価値観の種類が少なかった、選ぶ人生の選択肢が狭かった時代が、少しうらやましくなります。
仕事をしながら子供を持つことのハードル
予測不可能な世の中で、日本に住んでいると悪い方向ばかりに目が行きます。もうこの先この国はダメだ…そう思わせるニュースの方が多い。
そんな世の中だと、自力で確固たる地盤を固めたくなります。
例えば結婚して子供を持って家庭を作る。血のつながりでコミュニティを強化する。
とはいえ、昔ほど簡単に子供が持てなくなりました。お金がかかるし、女性も男性も家庭を持つことって結構失うものが多いんだなと理解してきているからだと思います。
私の親世代(60代)が子供を産むころ、モーレツ社員×専業主婦という役割分担しかなかったですが、今は女性活躍!と女性に働け働けと追い立ててきます。都合いいなと思いますね(笑)
明らかに選択肢が増えた今、またもや意思決定です。
子供を持つというルート(選択肢)を失わずして、いかに今の自分の幸福度をあげるのか?というのがめいかちゃんの疑問かなと。
参考までに子育てと仕事の両立をやっている感想を述べると…
日本でしか子育てしたことがないから、実体験で比較しようがないけれど、少なくとも私は日本で働きながら子育てすることは疲れるなと思うことが多いです。
一番の原因は、競争的な社会での価値しか認められてないこと。お金を稼ぐこと、社会的地位をあげることが世の中で賞賛されるからです。
子育て(ケア労働)は社会から評価されていません。
自分の経験としても実感するし、ひとつの評価の方法としてケア労働に対する給料(対価)が低いですよね。これって社会からその程度の仕事だと思われているんだと思っています。
『さらに子供を産みづらい情報を言ってるんじゃないよ…』という声が聞こえてきそうな…(笑)
まぁでも今の日本だと現実はこんなもんです。めいかちゃんが子供を産む時、10年前後でこの事態が急激に良くなる気もしないです。
女性だけが「仕事」と「労働」の両立を迫られるのは、あまりにも不均衡極まりないとも思います。
ほんとそうだよね。なんでこんなに女性ってだけで損することがある。
それなのに、さらに頑張れ!もっと頑張れ!幸せになるためにはまだまだ頑張りが足らんぞ!って言われなきゃいけないんだろう。
(でも男性も男性でとても幸せにも見えない。これはまた今度話しましょう)
とはいえ現状、真っ只中にいるんで苦しいんですけど、マズローの欲求段階ではないですが、私はこれは人類の進化だと思うのです。苦しいけれど喜ばしいことだと思いたい。そもそも人間という生き物はそうせざるを得ない生き物だと思っています。欲求段階の上へ上へと進化し続ける生き物なんじゃないかなと。
テクノロジーが進化し、人間ができることが大幅に増えた。
だから生きるための仕事から、自己実現へ、他者や未来の人間のために行動を起こさねばとしているんだと思います。それはまずは単純に喜びたいなと。自分偉いなと(笑)
適職の選び方
じゃあ結局何の仕事をすればいいんでしょ??
仕事も充実させたい、子供を持つことも諦めたくない、でも普通のサラリーマンもダサい。
どういう基準で仕事選びをすれば失敗がないのか?という問いを貰っている気がします。
この課題、2つの点が混在しています。
①妊娠、出産、出産後の体調変化と仕事の両立問題
子供を持つという選択をした際にやはり生き物としてどうしても男女平等ではない。女性はやはりキャリアのブランクが空くのは事実。ただし子育ては女性の問題ではないのでこれはまた今度書きます。
②いち社会人としてのキャリアの築き方
男女問わずこれからの時代、一社で定年まで勤めあげる、会社がポジションを考える、社員の家族までも守る、とは考えづらいです。
簡単に言うと予測不可能な世の中で食っていくには?という課題。
①②の最大公約数が「今の私の適職」になるんでしょう。
①に関しては正直、アドバイスできないです…
個人の体質や体調、環境、どんなパートナーかによって変わるのでズバッと答えが言えないのが正直なところ。
私自身、「子供なんてやることやったらすぐできるだろ」と思っていたらあれよあれよと精神的にも金銭的にもダメージを食らいましたし、一度は本気で子供がいない人生も考えました。
辛かった経験はこちらに書いてます↓
ここでできるアドバイスとしては、今考えてもしょうがないことを考えるのやめよう!です。
私は不育症の治療中に毎日「子供が欲しい(流産したくない)」のと「自分のキャリアはどうなるの?ガッツリ働けなくなるの?」の感情の行ったり来たりでした。そんなスパッと割り切れるもんじゃないんですよね。
結局悩んで悩んで不育症治療中に転職活動して、転職が決まったすぐあとに子供を妊娠しました。
職場のことを考えたら最悪のパターン。
でも色んなところにお伺いを立てるのもやめて、「あーこれはしょうがないな。今は色々いろんな人に迷惑をかけるけど、あとできちんと返していこう」と割り切りました。
使えねーやつ!とか邪魔!とか思う人もきっと居たと思います。
でも、同時に走り出したんだから、考えてもしょうがない。
なので、子供をどうするか?子供を授かるとどんなキャリアのダメージが起きるのか?はケースバイケースだし、今考えられないので、いったん頭から忘れましょ!(笑)
それよりも、働いていると、人を真剣に愛するという気持ちが失いがちだと実感します。余裕ないし。別に恋愛せよ!とは言わないし、結婚も自由でしょって思うけど、「この人だ!」とビビビと来たら周りがなんと言おうと自分の感性を信じてほしいなと思います。
競争的な仕事ばかりしてると合理性や論理が大事になってくるけど、人生で大切なことの半分は感性だと思うので。
自分の感性が濁らないように、人を自分の感性で好きって言える自分を保ちつつ、自分のキャリアを積んでいき、ビビビと来た人がいたらそのときに「結婚」「こども」を改めて考えたらいいのかなーと思います。
②いち社会人としてのキャリアの築き方について
上野千鶴子
あなたは自分の書いたものがどんな文脈で消費されるか、を危惧すると書いておられましたね。それ以前に、あなた自身がメディアにおける消費財であることを自覚しておられますか?
(中略)
あなたの「元AV女優の」という枕詞は、彼らにとっては、おいしい付加価値だったことでしょう。でも、いつまでその枕詞をつけて、仕事を続けますか?
「限界から始まる」7章仕事より
とてもいい指摘だなと思います。
私自身も骨身に染みます。
仕事って自分のライフを成立させるための仕事(ライスワーク)と人生のための仕事(ライフワーク)ってよく言いますよね。
ライフステージの変化とともに毎度毎度見直した方が生きやすいかなと思います。
そしてよく転職活動で言われる「100万分の1」の人材になろう!ってやつ。胡散臭いんですがなかなかに的を得ている。
1/100 × 1/100 × 1/100 =1/1000000
という3つのカテゴリーそれぞれで100人のなかで1位になろうというやつです。
正直1位にはならなくていいんですけど、カテゴリー(スキルやジャンル)を複数持つというのはめっちゃ強い。
例えば、私みたいな製造業のエンジニアだと、エンジニアとしてのスキルが部署(100人ぐらい)で1位だったとします。仕事が早いとかね。
それだけだと1/100の人材。どこにでもいる、代替の利く存在です。
例えばそこに英語ができます!となったとする。
技術者で、英語が堪能で~となると途端に人材価値は上がります。
さらにもう一つカテゴリーを追加すると、変化に強い、代替の利かない人材になります。
上野さんも、鈴木さんに「元AV女優」×「小説家(誰でもなり得る)」の二つだけだと弱いと言ってます。つまり専門性(学術性)を身に付けろと。
これなんですよ。
自分の好きなことを勉強せい!と言ってるんです。鈴木さんは元々研究畑出身ですし、親和性が高い。経験だけじゃ弱い。自戒も込めて、働く限り何かしらの専門性を高める勉強が必要だと思います。
じゃないと「それってあなただけに当てはまることなんでしょ?」となり自分の意見が一般化できないのです。一般化できると自分の意見を他の人にも応用できます。こうやって少しづつ自分の考えを他者に伝播し、世の中を変えて行くのです。
では、どの専門性を持つべきなのか?
結局どんなに経験があっても、今の段階でスキルがあっても「好き」には勝てません。大事なのでもっかい言います。「好き」には勝てません。
今言葉でいい表せる仕事がなくても「好き」には勝てないんですよ。それこそが価値なのでビジネスになるのです。
”飽き性”
今やりたいこともたくさんあるから、それをどういう価値基準で、どう優先順位をつけていくのか。本当に難しい問題です。
飽き性最高じゃないですか…。つまり、やりたいことからどんどんやればいいんです(笑)
そうやって自分の「好き」や「こだわり」に熱中するからこそいいアウトプットが産まれる。ひいては妊娠や子育てに限らず、離婚や両親の死別、病気など自分の苦難が目の前に現れた時に、「好き」を積み重ねた結果の自分が間違いなく自分を守ってくれます。
自分が何が好きなのか?
○○という資格を取ればいいんだ!
○○という仕事について経験を積めばいいんだ!
という、ざっくりとしたカテゴリーじゃなくて、もっともっと細かく自分にアンテナを張る必要があります。
この作業のこれは好きだな、気づいたら集中してたな、嫌ではないな、今の段階でお金にはなっていないけどいい感触だな、これは自分にとってはラクだから効率がいいな…など。
ここはもはや感性です。感性で自分の領域を決めて、決めた領域でロジックを勉強します。そしてアウトプット(仕事)をする。
個人的には適職の選び方ってこのトライ&エラーかなーと思っています。
だからすんごーーく長くなったんですけど、The 1st「仕事」の返信は、「今好きなことばっかりやろうぜ」です(笑)
ではまた次回!
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