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マズいご飯と汚いトイレに適応する過程で認識したキレイな国の弱み【セブ留学④】

こんにちは、まじこじまです。
今日のキャリアのお話は、語学留学から得られた語学以外の5つのValueというテーマの第4回になります。

前回の投稿はこちらから。

初回(全体感)はこちら


日本というキレイな国で育つ弊害

留学生活は、新しい文化に触れたり
英語の習得をするだけでなく、
日常生活でまず「新しい環境に適応する」ことが
最初のハードルになります。

日本人の語学留学先としては、
マルタ・カナダ・オーストラリアあたりも人気で
これらの国々はセブ島よりも断然「キレイ」なので
セブ留学は一番学生がきつい思いをするのかも。

ただ、環境面ではフィリピンは「きたない」ですが
上に挙げた留学先では、「日本人差別がキツイ」という
負の声もよく僕は耳にします。
フィリピンではアジア人差別などなく、
日本人はむしろ歓迎されるくらい
なので
そういった面での厳しさはありません。

カナダとかオーストラリアの白人達からは、
英語ピヨピヨレベルのアジア人は蔑視されることも多く
カフェ、レストラン、ショッピングモールなど
冷たい対応を受けて英語を学ぶことそのものに対する
モチベーションを折られることもあるそうです。

私がフィリピンで過ごした留学生活は、
特に「トイレ」と「食事」に関する
厳しい現実を突きつけられるものでした。
今回は、これらの困難な経験から学んだ
キャリアアップのヒントについて
お話ししたいと思います。


ベースの基準が高いが故に適応力が低い

今日の結論がこれなのですが、

僕は「キレイ」「きたない」という
衛生面以外でもあらゆることにおいて
日本人はこの病に陥っている
と考えています。

「アジアのトップだった」という意識から抜け出せない日本人

パリの五輪を見て「フランスのアジア差別ひどいな」
という意見が沢山出たのは記憶に新しいですが
一方で日本人は差別されることに鈍感だったが故に
「自分たちがしている無意識の差別意識」
にも気づいていないと僕は思います。

そもそも、差別って無意識から生まれますから。

SNSや、ニュースに対するコメントで見かけません?

「やっぱり中国製はあかんな」
「またグェンが犯罪起こしてるのか」
「さすが韓国のお家芸だな」

僕は昔、江戸川の河川敷近くに住んでいたのですが
河川敷にタヌキの家族が住み着いていて、
ジョギングしているといつもタヌキ観察の
ちょっとした人だかりができていたんです。
で、自分もその輪に加わって見ていると

「中国人に食べられなきゃいいけどなー」

日本人って無意識のうちに
アジア諸国を下に見ているところがある
結構怖い感情で、しかも本当に日本が上ならまだしも

日本はどんどん追い抜かされつつあるのに、

中国人は何でも食うし
韓国人は何でもパクるし
東南アジアは発展途上国

そんな認識が刷り込まれている。
ちょっとドキッとした人いませんか?
僕はこれ、差別感情の兆しだと思いますよ。

中国の深センなんか、日本追い越して
もはやニューヨークですけどね。

この感情は
「生まれた時に日本がアジアのリーダーだった」
というベース値の高さから来ていると思います。
生活のレベルは一度上げると下げられないとは
良く聞きますが、日本は衛生面では世界トップ。
食事の安全さと美味しさも世界トップ。

これは誇るべきところなんですけど、
いざ海外に出るというときに、
語学力なんかよりもずっと足を引っ張るのが
「メシ」と「トイレ」が最高の所から
出て行かなければならない
ということです。

環境の厳しさを乗り越えるためセルフケア

一見キレイそうに見えて強烈な悪臭がする部屋でした

留学初日、僕は語学学校の目の前にあるホテル寮に入居したのですが、その環境は信じられないほど不衛生で、ロビーから人の足音が聞こえるほど壁が薄く、まったく眠れず、初日から風邪を引いてしまいました。

枕の後ろ、ベッドのヘッドボードあたりから汗を吸った柔道着みたいなニオイがして、スーパーでファブリーズを買ってきて連射するも改善せず。

これは私の留学生活のスタートにとって、散々な始まりでした。
(学校に相談したら、ちゃんと対応してくれてコンドミニアム寮に移れた)

また、フィリピンの街を歩くと
野良犬の〇体に遭遇することがしばしば。
アスファルトで舗装されていない道が多いため、
バイクタクシーやジプニー
(軽トラの荷台に乗るバス)に乗ると
土ぼこりが舞い上がるので顔にハンカチを巻いて
防御することが日常になりました。

僕は30歳にしてあんなに真剣に「体調管理」を徹底したことはない。

自分の体の不調に早期に気を配り、
予防的な行動を取ることを習慣にしました。
マズくても、学食では栄養を取るために
野菜を多く摂るよう心がけて、
休日の朝や夜には、自分が「きれい」と感じるカフェで
心のデトックスをする。
簡単な自炊をすることで「足りていない」と感じる
栄養を補給するようにもなりました。

質のいいカフェは沢山あるので安心を
新鮮なフルーツスムージーが200円くらいで飲めるのもいい

日本に居た時よりも、最新の注意を払って
「セルフケア」に気を遣う。
そうしないと、勉強の能率も下がるので。。
2か月いた中、学校を休んだのは初期の1日だけでした。

食文化への適応と新たな視点の獲得

フィリピンのごちそうレチョン

学食のまずいご飯も
今では懐かしい思い出。
特に印象に残っているのは、
クリスマスの日に出されたご馳走、
レチョン(豚の丸焼き)とその内臓や血を使ったスープ。
(これはおいしい)

日本でもホルモン料理は一般的ですが、
血を使った料理は非常に珍しく、
私自身はスッポン料理を食べた時くらいしか
経験がありませんでした。
余すところなく命を頂戴する、という感覚ですね。


学生たちで週末旅行に出かけた際
田舎町ですが通り沿いに面して屠〇場があり
実際に動物が運び込まれていく様子を目の当たりにしました。

日本にいるとキレイに精肉された肉しか見ることがないため、屠〇の瞬間を見たわけではないですが僕にとってはこの経験は非常にショッキングで、食に対する意識を大きく変えるものでした。

世界一レベルで「キレイ」な国である日本で育つというのは、一見アドバンテージのように思えますが、実はそれが海外への適応を難しくしアレルギー反応を引き起こす原因になっているのかもしれません。

日本以外の国の出身者が東南アジアに移住しても、日本人以上に「トイレが無理」「食事が無理」と感じることは少ないでしょう。

環境適応能力という、生き物が生き残るために
最も重要なスキルを身につける必要性を強く感じました。

キャリアアップと環境適応力

寮のジム

今回のキャリアアップへのヒントは
ある程度限定的なシーンになるのですが
将来のキャリア向上、収入UPのために
「英語を身に付けておこう」と
考える人は多いと思います。

その先には、海外勤務の可能性だったり
外資系や商社への就職など様々。
でも僕のように帰国子女でもなく、
実際に外国に「住んだ」ことがない人は
よく考えてみましょう。

自分は環境の変化に耐えられるかどうか?
実は英語よりも、これがネックになる人は多いはず。

思えばLION時代に行った海外研修も、
僕はたまたまシンガポールという
先進的で衛生的な国に行けましたが
インドネシアやマレーシアに配置された
同じプログラムの研修生は
この留学経験のような体験を
僕より一足早くしていました。

コンフォートゾーンは自ら広げるもの

停電が頻繁に起きるフィリピンでは日常的な光景

最初から快適な環境は用意されない。
快適な環境は自分が作り出していくもの。

最近は「転勤」を告げられただけで
退職してしまう若い世代が増えています。

単身赴任を断って転職活動する人も。

新しい土地に移り住むのは確かに一時的な
不快があるかもしれませんが、
「キャリア」を強くする意味では良い機会でもある。

国内転勤を耐えられない人が
海外勤務で耐えられるかどうか?

日本人の海外勤務先って
ニューヨークとかシカゴみたいな
カッコいい所ばかりじゃないけど大丈夫?

僕は海外求人は移住の可能性の一つとして、
完全に諦めてはいないので常にチェックしていますが
「マネジメント経験×ビジネス英語力」
があると、収入が跳ね上がります。
(1200万~2000万とかゴロゴロあります)

36歳の僕にも、こうした求人が
エージェントさんから送られてくるくらいだから
年齢も若くして収入をジャンプアップさせるには
海外に飛び出すのは大きなチャンスです。

でも今回の体験から1つだけ

求人票には書いていない要件


それが環境適応能力です。
求人票にはこんなスキル要件は書いてあります。
「〇〇の実績3年以上」
「〇〇運用の経験」
「〇〇についての高い知見と推進能力」
「ビジネスレベル以上の英語力」

でも、あなたや家族が
「汚いトイレや美味しくない食事に
 適応して健康に働き続けられるか?」
は求人要件には載せません。

面接などではこういう所も見ますが、
定量的に測れない部分なので
「どんな環境でも頑張れます!」
と自信を持って言い切られれば
面接官も通すことはあるでしょう。

そこで初めて海外に飛び出し
インドネシアやフィリピンに配属になり
「思っていたのと違った…」
となっては本末転倒。

海外に出るくらいの人は
結構根性があるので
適応力がそもそも高い場合がありますが

自分はどうか?
自らコンフォートゾーンを切り開けるタイプか?

じっくり考えてみるのも良いかと思います。

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まじこじま〻現役フリー人事・バックオフィス系コンサルタント
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