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意外と適当に受けてはいけない性格診断(適性検査)※実体験
最近MBTIが流行っていますね。
僕は「運動家」だそうです。
MBTIは自己分析にも用いられるようになってきていますが、企業側が採用選考の過程で取り入れているケースもあるようで、かなりの人気ぶり。
今は若い世代の間ではMBTIを最初に自己紹介で言ってから仲良くなるそうですが、人付き合いのストレスを軽減する方法なのかもしれないけれど、なんだか付き合う人のフィルタリングをしてしまうのも勿体ない気がしますね。
皆さんのMBTIは?私の記事を読みに来て出さる方はどんなタイプが多いのか、結構気になる処です。良かったらコメントで教えて下さいね。
さて、今回はこういう性格診断で「落とされた」体験談のお話です。新卒就職も転職もどちらもそうですが、企業への就職って一見「理不尽」とも思えるような理由で落とされたりします。
👆の記事で言っていることと相反するように聞こえるかもしれませんが、
「真相はわからない」ですからね。
気にすることはなく次行きましょう!というマインドで転職活動はするべきと述べていますが、一方で本当に落とされている場合もあるので努力次第で何とかなる部分は手を打っておきたいということころ。
送られてくるメールの通り「本当にご縁がなかった」のかどうかは、その会社の中の人だけしかわからないので…
今日の結論としては、「本当に性格診断の結果次第で企業は落とすから、適当に答えたりするな」というところ。また、本気で入りたいと望むなら自分のありのままで~とか甘ったれたことは言わずにその会社の求める人材像を分析して、回答を曲げてその性格に自分が合わせていくくらいの強かさを持った方が良いかと思います。
入社した後に苦労する、苦労しないの話がもしかしたら出てくるかもしれませんが、アンケートポチポチした結果で自分が真剣に行きたかった会社に落とされて、本当にその会社の社風に合っていなかったかどうか、入社してもいないのに納得しきれるか?そちらの方が損失や後悔は大きいと思います。
世の中には「聖杯売り」と「聖杯を求める人」が存在する
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企業は様々な選考で、応募者を篩にかけています。
「ビジネスの世界に正解はない」
ゆえに
「採用の仕方にも正解は無い」
というのが真理ではあるのですが、人はどうしても正解を求めます。
「こうすれば必ず目的が達成できる」というやり方のことを、投資の世界で「聖杯」と言ったりしますが、人は聖杯を求めるものなのです。
そして、求めるからにはそこにビジネスが生まれる。
人事・採用にとっての「聖杯」らしきものを売る商人がいつの時代もいるんですね。
学力の高い学生だけを採用しても仕事ができるとは限らない
体育会系の学生だけを採用しても仕事ができるとは限らない
「学歴」と「体育会系」の2つの就活優遇は神話レベルで語られていますが、私はこれを言語化した考え方と裏付け(裏話)も耳にしたことがあるので、そのうち取り上げますが
学生が本当に自社のビジネスにおいて「使える」かどうか明確な判断基準など存在しません。
志望動機ですぐに辞めないかどうかを見て
自己PR(いわゆるガクチカ)でPDCAサイクルを回したり上司や周囲に相談したり巻き込んだりしながら物事を進められるかどうかを見て
逆質問で企業や業界研究してきているかを見る
最近はここにインターンでの実績等が加わっていますが
企業にとってこれらのエピソードや面接での振る舞いがその時だけのものかどうかはわからないですし、学生の環境で成果を出してきた人が必ずしもビジネス上でも成果を上げられるかどうかわからない。
口が上手いだけで仕事はできないかもしれない。
(まぁ、口が上手いのも能力の1つなんですけど…)
というわけで、採用する側は常に
「どうしたら応募者の実力や当社とのマッチング度合を見極められるのか」
この方法を欲しています。
そこで現れるのが、
「当社の開発したこれを使えば応募者の適正が診断できますよ」
という聖杯を持って売りに来る商人ですね。
余談…マッチポンプを作る人
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ちなみに、もう既に「キャリアのインフラ化」をしているので文句を言うだけ無駄な大企業であるリクルート社さんが20年前からこの仕組みを構築しています。
SPIは受けたことがある、又はこれから就活をする方は受けることがあるかと思いますが、SPIや適性検査の仕組みはリクルートさんが売っています。
①企業へ適性検査を導入する
②企業の適性検査のビッグデータを入手する
※どのような傾向のある人がその会社に採用されやすいか
③就活生や転職者に会社毎の適性検査の傾向をアドバイスする
④企業も就活生もリクルートさんから離れられなくする
こんな感じですね。個人的に、リクルートの就活・転職サービスは何だかんだいって最大手の強みがふんだんに生きていて優秀です。
圧倒的な情報量があって、それを収集し続ける仕組みが構築されている点からも、利用しない理由が見当たらないのですが、企業側の「答えを知ってる」人たちが就活生・転職者向けのサービスもやっているのだから、マッチングさせることに関しては絶対的な強みがあるということになります。
ただ、昔はこのSPI一強だったのが「Mgram」や「MBTI」等に変わってきたのは時代の流れを感じますね。2009年のリーマンショック直後の就活氷河期世代だった私は、もはや何回受けたかわかりません。1週間毎日Webテスト受けていたような思い出があります。
※転職サイトや転職エージェントの使用感やおススメのまとめはまた後日記事にします。
企業が性格診断を導入する理由
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採用は高い買い物
企業は直近の転職前提の価値観の変化などを受けて、性格診断によるマッチングの結果を重視する傾向が強まってきています。これは本当に人事の裏側で起きている話。
世間がどれだけ「転職」や「ジョブ型雇用」に傾こうとも、企業があなたに「できるだけ長く働いて欲しい」と思う気持ちは不変のものです。理由は当然以下の2つで
① 優秀な人材にはより長く自社で活躍して欲しいから
② 採用は企業にとって最も高い買い物だから
です。①は言わずもがな。②は従業員は意識することが少ないようですが、採用は超コストがかかります。
大きく分けて
①採用費(イニシャルコスト)
・広告媒体出向費等※リクナビ等も含む 皆さんの想像より高い
・エージェント紹介料※オファー年収の30%が相場
そこらへんのアルバイト募集の公告を2週間くらい出すだけでも数十万とかかかります。
紹介料は単純に年収800万円の人をエージェント経由で採用したら240万円エージェント会社に支払います。
近年はこうした採用フィーの経営への圧迫からも、リファラル採用(社内の人の知り合い等の紹介で採用するルート)が注目されています。コネとはまた異なりますが、採用される確率も高いでしょう。
(だってイニシャルコストかかりませんから…)
②生涯人件費(ランニングコスト)
・給与、社会保険料、退職金等の総額
➤サラリーマンの生涯収支は2億円とか3億円とか言われますが、ひと1人雇うというのはそういうこと。10人も雇えば20億円とかの買い物ですから、工場とかビルが立つくらいの買い物です。
ゆえに…マッチング重視(辞めて欲しくない)
そんなわけで、企業が適性診断やMgram、MBTIなどの性格診断を採用選考で重視するようになってきています。
1. 候補者の性格や価値観の把握
これらの診断を通じて、企業は候補者の性格や価値観、行動特性を把握しようとしています。例えば、チームでの働き方やストレスへの対応、リーダーシップの発揮の仕方など、仕事での適性を事前に確認することで、企業文化やチームとの相性を測る。これにより、候補者が組織内でどのようにパフォーマンスを発揮するかを予測する。
2. ミスマッチの防止
企業は、候補者が持つ性格や価値観が、組織や職務に適しているかを見極めるために性格診断を活用します。職務や企業文化に合わない人を採用してしまうと、早期離職やパフォーマンスの低下につながる可能性があります。性格診断は、こうしたミスマッチを防ぎ、長く働いてもらいたいというのが企業側の目論見です。
3. 適性に基づく配置・育成
採用後の人材配置や育成に活用することも。
例えば、MBTIや適性診断を参考にして、候補者がどのような環境で能力を最大限に発揮できるか、どの部署に配属すべきか、リーダーシップのポテンシャルがあるかなどを判断したり、将来的なキャリアプランの構築や、リーダーシップ研修などの育成プログラムにも役立てられます。
最近はカオナビ等のタレントマネジメントシステムも流行していますから、こうした性格診断のデータも人事マネジメントシステムに入力されて、異動や昇進の際に参考にされています。
さいごに…
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実際に私は2020年頃の転職において
・オファー面接の前に適性診断でアンマッチとされて突然落とされた
という経験があり、激しく後悔したものです。
(非常に志望度が高かった企業)
面接を突破したのに、なぜ書類選考の段階で一緒に受けたテスト結果で落とされるのか?そこで懸念があったならなぜ面接でそういった性格の部分を確認して落とさなかったのか?なぜ?なぜ?
これは今でも分かりませんし、もしかしたら別の理由や社内事情があったのかもしれません。
また
・実際に転職したあとMgramの結果をやたらと聞かれた
職場もあります。「社長はあれだった、マネージャーはあれだった、あの人はあのタイプだった」みたいな話をされて
動物占いみたいな話を採用のフェーズでお喋りすることに対して当時の私は理解に苦しみましたが、こういった話を入社してからもする職場というのはある意味新しく入ってきた人を大切にしてくれている証拠とも言えます。
新卒・中途問わず、新入社員の人に「どんな人なんだろう?」と理解しようという関心があり、既存の社員はこういうタイプだよ、と教えてくれるわけですから。
個人的な所感ですが、大企業や大人数の部署になればなるほど、これらの結果は採用現場以外では語られることは少なくなります。
少数精鋭の会社や、小規模なチームへの応募を検討されている方は、こうした適性検査についても戦略を立てて臨むと内定率があがるかもしれません。
企業の理念やミッション・ビジョン・バリュー等から求める人物像を推察する、OBOGの口コミサイトや社員のインタビュー記事等を研究するなどして、たかが性格診断と思わずに挑みましょう。
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