実録!(業務改善)BPR記#03 ミスや事故の起きやすい現場の共通点
こんにちは、まじこじまです。
少々期間が空いてしまったのですが、再び更新再開。
本日は私がこれまでBPRに入った業務現場で、実際に目にしてきたミスや事故の起きやすい現場あるあるをお伝えします。
始めに結論を述べておきますと、ミスや事故の起きやすい現場で必ずと言っていいほど起きているのが以下の失敗です。
共通言語化ができていない
もっと噛み砕いていうと、その部門内で使われている「用語」が統一されていないということです。
「A」という作業のことを
「B」と呼んだりする人や
「C」と呼んだりする人がいる
これ、心当たり無いでしょうか?
例えば、業務上使っているシステムの事を
「〇〇システム」と正式名称で呼ぶ人
「△△」(昔からの名前)と呼ぶ人
「CIS」とかの略称で呼ぶ人
これらが混在している状態。
そんなことが業務のミスとか事故発生に因果関係あるわけなくね?
大したことじゃないじゃん。そんなんただの会社あるあるでしょ。
と、思う方もいるかもしれません。
もちろん、これは私の経験上の仮説ですし、直接の因果関係を証明することはできません。
ただ、私はその業務の性質上「炎上している」現場や「実際に事故(インシデント)が起きた」現場の業務改善をすることが多いのですが、やばい現場ほどこれが起きています。
ミスや事故が起きる組織というのは、コミュニケーションエラーに無頓着なのです。
元々の原因を辿っていくと、働いている個々人のバックボーンの違いに行きつきます。
先ほどの業務上で使用しているシステムの呼び方が多数混在している現場を例に挙げると
①古くから働いている人は、旧システムの名称を使い続ける
②昔働いていた会社の習慣で基幹システムをCISと呼んでしまう
③業務マニュアルに記載のあった名称を忠実に使用している
等の理由で全員同じものを指しているのに違う呼称で呼んでいる。
そして、新しく配属されたり入社した人はそれぞれ
「誰に仕事を教わったか?」
によって呼び方もそれに倣っていったりする。
(流派みたいなのが出来てしまう)
また、いちいち確認はせず、言葉の意味を調べもせず、周囲の会話から何となくこれのことを言っているんだろうと学習して使っている人も現れる。
一番まずいのは最後の人ですね。
そもそもその現場には既に存在していない刷新前のシステム名称を、その由来も意味もわからずに現行システムの呼称だと認識して使っているとかいうことが平気で起きていたりします。
これの何がまずいのか?
みんながそれぞれ、思い思いの言葉で会話していたとしてもそれで業務が回っているのなら問題ないのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
実際、業務改善に入ってこの話をすると現場の人達に
「どうしてそんな細かいことをいちいち気にするのか。我々はこれまでそれでやってきたし、問題の原因はそんなところにない」
と言われることもあります。
ただこういうことを言い出す現場にあるあるなのが
新人の定着率が著しく低い
ということです。
だって仕事を教わる、慣れていくにあたって
あの人がAと呼んでいるものの正体が実はBだけど人によってはCと呼んでいたりする。でもマニュアルにはDと記載されている。
こんな仕事を誰が一生懸命覚えようと思うのか?
誰の言う事が正しいのか?と不安になる。
また、何となくの意味で職場の用語を覚えて使っている人が増えていくと「もともとの正式名称が失伝していて外部からやってきた人とまるで話が噛み合わない」ということも起こります。
システム改修が必要になった時、何か事故が起こって監査が入った時、他部門や外部と協力して仕事をする必要が生じた時等
こういう時に、呼称が統一されていないと業務改善には致命的な遅延が出ます。色んな人にヒアリングするに当たって、全員の言葉をいちいち翻訳しなければならないわけですし、外から来た人にとっては「ん?業務で使うシステムが3つあるのか」という誤解すら招きかねません。
同じ日本語を使っていても、全然話が通じないというのは良くあること。
通じているつもりが相手には伝わっていないというのも良くあること。
それぞれ好き勝手な言葉を使っていて、それに対して何の疑問も抱かない現場というのは日常的にコミュニケーションエラーが起こっているということなわけですから、他の色んな所でも機能不全が起こり易くて当然。
こうしたコミュニケーションエラーに無頓着な現場は、それが積み重なっていっていつか大きなミスや事故が起きる。そしてすぐに鎮火させられずに大事になるというわけですね。
ミスに対する心構えについて
うっかり、不注意、見間違い、思い込み。。。
人間の脳も身体も精密機械ではありませんから、どんなに優秀な人であってもコンディションによってはエラーが起きることはあります。
これは大事な考え方の1つですね。
ミスをするか、業務上の事故を起こすかということは
自分やその人が優秀であるかどうかに関わらず誰でも起こる。
どんなに優秀な自分でもミスすることはある。
どんなに優秀な部下でもミスすることはある。
プロの野球選手でもエラーする。
プロのサッカー選手でもPKを外す。
優秀な経営者でも失言して炎上する。
人は時にミスをするのだから、
それがそのままゴールまで辿り着かないよう修正できるようにする。
これがチーム・組織として必要な心構えですが、良きチームの中で使っている言葉が共通言語化されていないということはありません。
一枚岩として課題に取り組む強固な組織を作りたかったら、コミュニケーションエラーが起きないような配慮に最初から取り組むべきかと思います。
以上、久しぶりの更新なので凝ったライティングにはしておらず、ただ書き殴っただけのようになってしまいましたが、皆様の参考になれば幸いです。