ビジネスDD(市場調査の実務tips)



今回はビジネスDDで避けては通れない、市場調査のポイントを実務の流れに沿って整理してみようかと思います。


①対象会社の確認

対象会社の企業概要を確認します。ビジネスDDの提案や契約がすでに済んでいるようであれば、提案書に初期仮説や調査事項が整理されていることも多いので確認します。

②初期調査で大枠を掴む

対象会社の業界や参入市場が分かれば、初期調査で大枠を掴みます。あくまでアウトプット作成の参考情報として各業界レポートがどんな一次情報からどんな分析を行っているかを確認します。
・「●●業界 市場推移」で検索
・「●●業界 統計」で画像検索
・Speedaの業界レポート
・各省庁や業界団体の業界レポート
・シンクタンクの業界レポート

③調べた情報をExcelに一覧化する

初期調査で取得した情報はエクセルに一覧化してファイルリンク、URLを載せておけば、一緒にDDをしているメンバーも助かります。

・NO
・出典
・資料名
・概要(資料の主なメッセージ)
・リンク

④市場を定義しパラメーターとドライバーに分解する

市場構造を定義して調査対象を明確にしていきます。例えば、対象会社が喫茶店の場合、市場全体を「飲食業」とおくのか「喫茶店市場」とおくかで市場規模が変わります。仮に喫茶店市場と定義した場合、市場は以下のようにパラメーター分解できます。

A:喫茶店の企業数×企業当たり店舗数×喫茶店当たり売上
B:喫茶店の顧客数×顧客当たり売上

需要サイド、供給サイドどちらが市場規模調査に適するか調査結果などといききしながら決めていきます。そして今度はパラメーターに影響を与えるドライバーを明らかにしその動向を調査しますが、これについてはまた別の記事で取り上げようと思います。

⑤アウトプットに必要な1次情報を入手する

パラメーターやドライバーに沿って政府統計などから1次情報を入手していきます。ここについては、ある程度こういった情報はこの省庁の統計にあるということを経験的に知っていると調査スピードが上がってくると思います。そういった経験が不足している場合は、前述の業界レポートの出所を確認し、1次情報を取りにいけば楽になると思います。

⑥専門家インタビューを行う

業界の専門家に市場動向の定性的な調査を行い、定量的な市場調査に加筆していくとレポートの確からしさの裏付けが強くなります。

・社内専門家への確認
・speedaで専門家へのインタビュー依頼
・ビザスクで専門家へのインタビュー依頼


⑦データを加工しアウトプットを作成する

アウトプットイメージを明確化にしたうえで、調べたデータをExcelに集約化し関数の加工過程を経てグラフ化、表化、PPT化していきます。DDを行う企業ごとに体裁やデザインの品質基準(明文化されていない場合もあるが)があると思うのでそこに沿ってアウトプットをゴリゴリ作成していきます。

●終わりに

初心者が最低限のテクニックで市場調査を行うポイントを記しました。市場調査は誰でもできるようでそのレポートの深さには差がでるのが実態かと思います。一方で、市場調査を一定の品質でこなせるとDDをこなしやすくなるので早めに克服したいところです。


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