プログラミングに見切りをつけた日
私ごとですが、誰かに聞いてもらえたら幸いと思い投稿させていただきました。
都合5年独学で続けていたプログラミングをやめる決心をしたので、その経緯と理由を聞いてもらえたらと思っています。
1.はじめは小さな希望だった
プログラミングを始めたきっかけは、お恥ずかしいんですが、マナブの月5万を稼いで自由に暮らそう的なエントリーがきっかけでした。サイトを作れば日本円で5万稼げてそのお金でタイで気楽に生活しよ。きっと人生楽になるからさ。的なお話に、まんまとその気になって乗っかって、勉強をはじめました。給料を頂いていた仕事はパッとしない(でも今思えばこれほど恵まれた職場ないんですけどね)のでなにかに打ち込めてわかりやすゴールみたいなものがある指標が欲しかったんだと、憧れたんだと思います。
最初はHTML,CSSから。次にBootstrap, Wordpressと進んで...プログラミングやってないんですよね。このときすでにフロントエンドはデザインセンスがなく無理だなぁと思ってバックエンド側に心変わりしていました。
Ruby on Railsやってみたり, Node.js触ってみたりしたんですがどれも「オリジナルを作ろう」的な課題を前にして途方にくれるんです。作りたいものなんてないんですから。ただ楽して生きたいだけの人間にとってこの手の課題の作りたいものを具現化していくようなエネルギーはないわけです。この壁にぶち当たるたびに別の言語へ、別の技術へ、別の領域へフラフラと足場を変えていきました。データサイエンスのような分野であっても頑張りは効きません。できるわけでも好きなわけでもないから続かないんです。才能があったらよかったのかもしれませんが。
2.諦めきれない技術・職人への憧れ
器用貧乏なタイプのわたしは、一つのことを極めている方にすごいあこがれを抱いてしまいます。それも「自分も同じことがしたい!」という不敬な気持ちと共に夢みたいなあこがれを抱くんです。あきらめろよ。そんな風に生きることなんてできないから。なんて知ってるのにどうしようもないほどの焦燥感でもって突っ走る以外の正解なんてないと思えるほどに頑張ってしまって空回りしてしまうんです。
小学生なら、中学生なら、高校生なら、大学生なら褒められる類の努力ですが。大の大人の30代が挑戦するには壁が高すぎると言わざるを得ません。才能があれば別なんでしょうが、生憎にも持ち合わせていなくて、かっこいいからやってみたいで憧れて、気持ちが持たずにへこたれて行く。そんな繰り返しでした。
プログラミングができる人って職人さんです。熱い気持ちをもっていて。楽しくてしょうがなくて辛いのに笑いながらやってる人で、私はそこに人生のゴールを設定したくなった。そして設定して突っ走ってみて打ちのめされたんです。
42というプログラミングスクールをご存知でしょうか。私はそのプログラミングスクールの試験を受けて見事に通えることになったんですが、途中からだんだんと気づいていったんです。私はプログラミングが好きなわけではないんだと。問題解決力を磨く学校にいながらにして、人に聞くというスタイルの学校で、聞けずに一人苦しんで、才能の無さにただただ、いじけてしまった。他人の才能が羨ましくて仕方なくて。好きなことがあることが妬ましくて仕方ない気持ちに気づいていきました。
3.続けることを放棄してみた
入学がコロナ騒動で延期になったあとも、ダラダラとプログラミングの勉強は続けていました。いや、ただ眺めていたと言ったほうが正しいんです。プログラミングを続ける選択をした人たちがどんな幸せな時間を過ごしているのかをただ、外野で見ていたんです。その姿は本当にかっこよかった。自分をさらけ出して、その才能で他の人の役に立って、称賛されていました。自分もなりたかったのかもしれませんが、どうもわたしの気持ちの方は付いて来てはくれないようでした。
あきらめることにしました。やめることにしたんです。5年も勉強したんですが、やっぱり何かを作るという情熱はもてそうにないんです。
マインクラフト好きじゃないんですよ。誰かに一緒にやろうと言われてやってみたことあるんですが、なにも作りたくないんで、鶏肉とって焼いて、チェストにしまうという作業を永遠と繰り返していたんです。そういう人間なんです私は。
私は心からはプログラミングを楽しめない。これは断言できる。そう気づいていたことを再認識させてもらえたんです。再認識できたのは楽しそうに学校の課題をモリモリこなす若い才能あふれる医学部生でした。すごいよ本当にかっこいいんだ。せめて手伝いたいと思うんですが、じゃまになるんですよね。これまた本当に辛い現実で、笑えてきます。才能に一緒になって喰らいつくのはプログラミングを大好きな青年で、こういう人間は楽しい人生を送っている様子でした。
眩しいばかりの世界でした。才能と好きがあれば本当に綺羅びやかな。才能がなくても好きならば楽しい世界が。諦めの中でも喰らいつけば希望がある。誰しもが挑戦できて、自分を深く知るきっかけになる。どんなスタートであれ、プログラミングを通じて身につくスキルは枚挙に暇がない。ネットワーク技術、HTML、WEBレスポンス、API、スクリプト言語、スクレイピング、フレームワーク、RailsのMCVモデル、関数型言語、環境構築、CUI、コマンド、パイプ、LINUX、デプロイ、バージョン管理、Vim、統計解析、VBA、コマンドプログラミング、ポインタ、共同開発、DevOps。その他にもあると思います。粒度を小さくすればまだまだ出てくる。それくらいやったんだ。これだけやって、最後に楽しくないと、誰かと一緒に作業することが苦痛で仕方ないと思えたんです。やっと理解できました。だから、もう止めてもいいんだよ。
4.これから
やーめた。と決めると本当に肩の荷が下りました。すごい重いものを背負って自分を大きく見せようとつま先立ちしていたんだと。とんでもない姿勢で生きていたんだなと。
東京へ転勤が決まっています。プログラミングスクールに通おうと思っていたから本社勤務にしてもらっていた。長年住み続けた故郷を離れることになっている。それが本当に正しい道程になるのかはわからないですが。いった先々でまた自分を知る機会を持てると思い、まずは行ってみることにしています。彼女もまっている。
この先パソコンが得意なのは変わらないし、プログラミングを少しできるのは仕事をする上でかなりのアドバンテージだとも思います。得られたものは大きいからどんどん活用していこうと思っている。同時に、また探したいと思っている。のめり込んで藻掻き苦しみ続け、それでも欲した自分の核を。また同じ顛末になったとしても。次の私の核を探し求めている。この先もずっとそうして生きていこうと思っている。