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kintoneでつながる! 舞鶴CS2024が創造する未来への架け橋【前編】

「せや、kintoneアプリのコンテストでもやったらええんちゃう?」
そんな一言からのスタートだったと思います。

11月22日に自治体職員がkintoneを使った業務改善事例をプレゼンする大会「kintone舞鶴CS2024」を開催。全国から集まった自治体職員たち(兵庫県尼崎市、愛媛県西予市、京都府福知山市、神奈川県)が、kintoneを活用した業務改善事例を発表し、そのアイデアと効果を競い合いました。各チームとも工夫を凝らしたプレゼンで会場は大盛況でした。
本稿ではどうしてこのイベントを開催しようと思ったか、当日までの苦労や面白さ、今後の展望も含めて全3回でお伝えできたらと思います。

kintone舞鶴CS2024アーカイブ動画見られます

始まりは昨年、本市がサイボウズ社の主催する「全国の自治体まるごとDXキントーン1年間無料キャンペーン」に参加したところにさかのぼります。
新たなシステムを導入しても窓口など現場での「やらされ感」が強く使ってもらえない。

熟練職員ほどデジタルアレルギーが強く豊富な知識と経験が継承できない。
属人化したお化けExcelやお化けAccessが多数ある。
このような課題を払拭しようとノーコードツールを検討していました。4年間使っていたオンプレのデータベースツールは徐々にレコード数も増えてデータ利活用の文化は醸成されてきていました。しかし、庁舎外では利用できないため業務への適用には機動的に限界で、次のステップへの移行の必要性がありました。

キャンペーン参加はこんな経過

そこへ同キャンペーンを見つけ、すぐに参加。kintoneという優れたUIやCM効果も相まって職員がとっつきやすい入口であること、自分たちで業務を考える、アプリをつくることでスキルアップが狙えることから課題の解決につながるのではないかと期待しました。

同キャンペーンは全庁的に導入することが目標に定められており、価格以上の投資効果を出すためには全庁で使えるアプリの展開が必要だと考えていました。
そこで当初にターゲットにしたのは人事課業務でした。しかし、伝家の宝刀「忙しいから、うちでは厳しい」での一刀両断で実現はかないませんでした(今では統計上2番目にアプリ数を輩出しているのは人事課というデータがあり…なんとも言えませんね)。
次にターゲットにしたのは介護認定の業務でした。並走で進めることはできたものの、全庁的に使うアプリではなく局所的だったため、やはり全庁で使えるアプリが必要だと検討していました。
そんななかコミュニティサイト「ガブキン」で神戸市が行った公用車運行管理アプリを発見。また昨年12月にはアルコール確認の義務化がありちょうど要綱を変更するとのこと。これはチャンスだと考え、公用車管理の部署・資産マネジメント推進課へ営業に行くと担当者も前向きに検討。並走でアプリ作成をして1か月の試験運用を経て12月から本格運用を開始することができました。舞鶴市のような地方都市は車の移動がメインだったため公用車の稼働率も高く、担当課が運行管理をアプリ一本にしてくれたこともあり、全庁的に公用車運行アプリが使われるようになりました。結果、職員1人ひとりがkintoneに触れる機会が爆増しました。デジタル推進課担当者T(本記事執筆者、以下私)も「しめしめ。計画通り」となんとかkintoneを軌道に乗せることに成功しました。

公用車運行アプリのフロー

軌道には乗りつつ、事例も増えつつも、もっとたくさんの部署でkintoneを使ってほしい、内製化を進めて考えられる職員を増やしたいと考えていたところ、室長から「なんかイベントでもやったらええんちゃう?アプリのコンテストとかええんちゃう?」と一言。
率直に私も「なんか楽しそう!」と感じたのを覚えています。

そこからはkintone hiveというイベントを参考にして、舞鶴市版のプレゼンイベント「kintoneアプリ甲子園」を昨年12月に企画・提案。室長、部長、副市長、市長も「いいね」で提案がとおり、ほかの自治体からすると驚かれるスピードでイベントの合意形成がされました。そこからは嵐のような準備作業で、12月中にアプリ甲子園の案内、1月には近隣自治体への営業(参加依頼)と庁内の参加者確定、審査員の依頼(サイボウズ、あっとクリエーション)をし、各方面への調整・連絡をしました。

アプリ甲子園のチラシ

なぜ審査員をサイボウズ、あっとクリエーションにお願いしたかというと、サイボウズはキンゼミというトライアル参加時からお世話になっているつながりがあり、ウェブ上で話したことがあったということ、あっとクリエーションは個別に舞鶴まで営業に来ていただき、リアルで話したことがあったということからでした。やはり一度お話をさせてもらったことがあるというのは謎の安心感があるものです。
当日の内容はウェブ配信をしようとのことで別係にも全面協力をしてもらい、あっという間に当日を迎えました。

2月19日に福知山市、南丹市、高浜町にも参加してもらい、kintoneアプリ甲子園を開催することができ、審査員には市長、副市長、サイボウズ㈱、あっとクリエーション㈱にも協力いただきました。各チームで作成したkintoneアプリを使った業務改善の方法をプレゼンしてもらい、kintone の利用促進、活用の機運上昇を目指すことを目的に開催。「日常的に行うプロセスや手続きをどのように効果的に改善・最適化したか」をテーマに10分間で資料や実際のkintoneアプリを使って業務改善の腕を6チームで競いました。初代王者は舞鶴市土木課の市民要望まとめアプリでした。
アーカイブ動画を公開しています

市民要望まとめアプリは市民からの要望を聞いて紙とExcelの帳簿にまとめて現地に調査等に行き、帰ってきてから現地で調査した内容の入力が必要だった業務にkintoneを導入し、同時編集や現地と庁舎との即時のコミュニケーションができるようになったというもの。当時新規採用職員(1年目)が息抜きに構築したということも相まってインパクトが大きかったです。

当日の私の仕事は司会進行でしたが、機材トラブルやアプリの権限ミスも若干あり、アドリブでなんとか乗り切ることができました。その後の部署内の反省会でも次につなげるための意見が多数ありました。
ただ、やはりツールをきっかけに職員間の交流やコミュニケーションが増えることってとても良い循環だということがわかりました。

さてそのアプリ甲子園で最後に市長から総括をいただいたのですが「来年はぜひスケールアップして開催できればと考えています」との一言。
「え、来年度もこのイベントやるの?!」ということが頭から離れないまま甲子園は閉幕していきました…。

次回、中編に続く

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