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6.仕込みは一瞬で過ぎ去った
2月に入って新潟県は大雪ですが、酸基醴酛の仕込みは無事に完了しました。
これから醪の管理になります。
ドキドキワクワクと少しの不安の日々です。
最初少し元気のなかった酵母もかなり元気になってきました。
生酛系の酒母なので最初は少し立ち上がりが遅いみたいです。
恩田酒造は新潟県長岡市にある酒蔵で総勢5名の小さな小さな酒蔵です。
同じ市内には16もの酒造メーカーがありこれは日本の自治体で2番目の数らしいです。
同じ酒蔵でも大手メーカーから中小、家族経営の小さな酒蔵までさまざまです。
恩田酒造は小さいほうの部類なので冬のこの時期でも毎日毎日日本酒の仕込みがあるわけではありません。
仕込みをする日もあれば瓶を洗う日もあるし、瓶詰をする日もあれば、酒粕の処理をして精米をする日もある。
そんな少人数で多種多様な作業をこなす酒蔵ですので、1回の仕込みがとても貴重なものになってきます。
酸基醴酛の仕込みも大切な仕事ですが、ほかの瓶詰や配達などの作業も待ったなしでやらなければなりません。
それでも機動力よく酸基醴酛をこの創業150周年のタイミングで挑戦できていることはすごく意味のあることだと思います。
さて酸基醴酛の仕込み作業のことに話は戻しまして、酒母の仕込みは通常の高温糖化酛のときと同じように麹米のみで甘酒を作り、それから培養乳酸菌を入れるということで、無事スムーズに乳酸発酵の工程に入ることができました。
使用した乳酸菌は新潟県醸造試験場で培養してもらったもので、新潟県の同じ中越地域の酒蔵の生酛酒母から分離されたものです。
最初の生酸スピードもよく、ヨーグルトのようなとても良い香りがしていました。醸造用乳酸と、乳酸菌の発酵による乳酸はやはり全然香りが違いました。
そして本仕込の日、2月の初め頃は10年に1度みたいな最強寒波がやってきていて大雪の中仕込みをすることになりました。
作業自体はいつもと変わらないものの蔵の中はいつもと違う香り、それほど量は多くないので何事もなく無事に終わりました。
2025年2月19日現在、もろみ日数は2週間ぐらい。
にいがた酒の陣までにしぼって、おそらく生酒の状態でもっていくことになると思います。