卒業します、年賀状。

子どものころから、ずっと好きだった。書くのも、もらうのも。

プリントゴッコで図案を考えて
住所と名前も手書きで書いて
色をどう重ねるか考えて
一枚一枚刷り上がったら立てて乾かして
時々くっついてしまって、しまった!ってなって
出来を見てどのはがきをどの子に出そうか考えて。

プリンター時代になってからも
メインの写真を選んでクロップして
賀詞の素材をあちこちから集めてどれにするか悩んで
住所と名前もわざわざ手書きしてスキャンして配置して
やっぱり印刷の出来を見てどれを誰に出すか考えて。

コメントを書き出すとだいたい4,5行くらいになって、
だんだんコメントがこなれていくのと比例して字が荒くなっていって、
最後に裏っ返して筆ペンで住所と宛名を書く。

痛むペンだことコリコリの肩を撫でながら、郵便ポストに投函。

元旦になったら何度も何度も郵便受けを見に行って。
2日は届かないから、3日が待ち遠しくて。

こんなにこだわりまくって、「疲れた~」と口では言いつつ
ものすごく楽しんで作っていたのに
突然、その日はやってきた。


年賀状、もう、いいかな。


それは、もしかしたら突然ではなかったのかもしれない。

令和への代替わりが見えていた、2018年末にいただいた
前々職の先輩からの「ありがとう平成、ありがとう年賀状」という
年賀状辞めますのお葉書。

いたく心揺さぶられ、ずっと心に残っていた。

2019年までは今までスタイルで行っていたけれども
2020年はついに宛名を印刷にした。
筆ペンでの宛名手書きは私の中で譲れないこだわりだったのだけれど
そのこだわりはすっと消えていた。

そして、2020年、一人の友達からもらった年賀状に
「来年からはSNSにシフトするね!」と。

そうだよね。

そうして2021年。
デザインは出来合いのものを購入。
宛名は印刷。
そして私もついに宣言した。
「来年からはデジタルにするね。いろんなこと新しいスタイルで行きたい気分!」

年賀状でしかつながっていない人以外は、全部そのように。

フリーランスになったし営業ツールとして・・・なんて邪な気持ちも
あったけれど、年賀状への情熱が消え去った今、
「いや、必要な時は、みんなSNSで連絡取れるしな」と冷静になってしまった。


2021年1月5日、みんなからもらった年賀状を見ながら、
子ども大きくなったねえ、とか、
今こんなことしてるんだとか、
ほっこりした部分も確かにあって
このつながりを自ら終わらせてしまってよかったのかな?ともちょっぴり思いつつ

自分の時間を何に使うのか、
小さなことだけれど、その意思決定をしたんだなと思う今日このごろ。


ありがとう年賀状。さようなら年賀状。

またやる気になるその日まで。

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