mai

元アパレルデザイナー現古着屋オーナー

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最近の記事

例えば「サスティナブル」について

この2年ほどで、もう道を歩けばサスティナブル。角を曲がればSDGsなどと言った状態で、気を抜くとゲシュタルト崩壊起こしそうなこの言葉ですが、一過性のものにしていい訳は無く、聞き飽きてる場合でもないので    ファッションにおいてのサスティナブルの話はしておきたいと思います。 とは言っても、私個人でまとめをしたところであまり意味はないので この記事をまずは読んでもらえたら、という紹介です。ファッション×サスティナブルについて書かれた記事はたくさんありますが、まずは環境省でま

    • 例えばお直しについて

      環境問題や人権問題が叫ばれる昨今、ファッション業界はまさに窮地に立たされている。私がこの業界に入った2010年代以降は、まさに暗黒時代だったと感じている。90年代の「作れば売れる」という黄金期を過ごしてきた諸先輩方を上司にもち、そんな華やかな世代に憧れこの世界に入った00年代の私たち、けれど現実の10年代は不景気の真っただ中でファストファッションが台頭し、ファッションの価値観は大きく変わっていった。 「売るため」に「売れない量」の服が作られ、「売れる値段」の為に「作る価値」

      • たとえば便利について

        私は古着が好きですが、一般的にイメージされるようなカジュアルな古着が似合う女ではないのです。特に、Tシャツというアイテムが苦手で、あの究極にシンプルで無駄のないアイテムは、とても便利なものだという事は分かっていても、どうしてか私は裸で歩いているくらい恥ずかしい気持ちになってしまうのです。 自分に似合うTシャツを探求した時期もありましたが、ある時「別に無理に着なくていいや」という結論に至り、それ以来外出着としてのTシャツを買うことが無くなりました。 とは言え、夏場のソレに代

        • 例えばアンティークを愛でてみる#2

          前回はアンティーク服のステッチについて愛でさせていただきました。  そして私にはもう1つ、「萌え」ポイントがあります。(服に対して萌えという感情をもう少しかみ砕くと、その服を手にした時 体の中の何にも臓器が無さそうなところがぞわぞわとして言葉にならない心の声が出てしまう感じです。) ▲萌えるギャザー それがこちらのギャザー部分。ほとんどが1点物のハンドメイドなのでもちろん個体差はございますが、もう本当に恐ろしいくらい繊細で力強く美しい物に多々出会うことができます。 こん

          例えばアンティークを愛でてみる#1

          こちらは、私の経営するビンテージショップで取り揃えているアンティーク服の一部です。フランスで19世紀後半~20世紀初頭に使用されていたムッシュシャツや少女用のブラウス・部屋着などを買い付けることが多いです。 特別 上流階級の人たちの物だったわけではないので、ひと昔前はヨーロッパ各地の蚤の市などで比較的安価に見つかりやすく、このジャンルに特化したヴィンテージショップもありますし、コアなお客様がいる古着屋さんには数枚単位で取り扱いのあるような人気のアイテムです。(最近ではヨーロ

          例えばアンティークを愛でてみる#1

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          私は説明するのが苦手です。色々な物事について、あまり言葉にしすぎると魅力が半減してしまう気もしますし、販売業を営んでいる私に於いては、お買い物をしているのはお客様ですので私自身の感性はあまり立ち入らない方が良いと考えています。(もちろん尋ねられたことには喜んでお応えします) ですが。 本当は話したい・・・ことがたまにあります。 お店だったら 「いやそんなこと聞いてねーし」 って言われそうなことを書いています。 私自身、お店であれこれと話されるのはあまり好きではないので客

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