明恵上人とお茶
『国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術展』を訪れるまで、私は明恵上人のことを知らなかった。
高山寺のお坊さんだということは、その特別展で知った。1枚の絵を見て、優しくて穏やかそうな人だと思ったけれど、どんな人か全く知らない。
鳥獣戯画展の関連企画として行われている『明恵礼賛展』では、明恵上人についての解説があった。
明恵上人は、釈迦を父と慕っていた。仏教ガチ勢。だから、インドに留学したいとずっと思っていた。けれどそれは叶わなかった。
悲しい…推しの故郷を訪ねてみたいという気持ち、すごく分かる。私は岡山に行ってみたいとここ最近ずっと思っている。岡山はまあ頑張ればいつでも行けるけど、インドだとね…しかも時代が時代だし、そう簡単には叶わないよね。うん…
インド留学は実現しなかったけれど、ずっと修行に励んでいた明恵上人。
中国留学経験がある栄西禅師から中国のお土産としてお茶の種をもらう。そのお茶を植え育てた結果が、茶道に繋がっている。
なるほど!!それで、この『明恵礼賛展』なのか!!!!!
やっとここで私は少し理解した。
当時から、お茶は疲労回復や消化に良いと言われていたらしい。あと、心を清らかにするとも。そして、明恵上人は実際にお茶を飲んでみて「眠気覚ましにも効くやん!!!」となったらしい。へぇ!
カフェイン効果!?昔々、お茶が日本に来た頃から、今言われているような効果が知られていたってこと?お茶凄いな…
明恵上人は夢日記を18歳の頃から40年間も続けていたらしい。凄い継続力。絶対に凡人では無い。
そんな明恵上人のエピソードで何よりも私に衝撃を与えたのは、右耳を切ったというもの。
耳を切った!!!
ゴッホと同じやん!!!!
ゴッホは左か…いや変わらんやん!!
福岡市美術館で1月にあったゴッホ展。来場前に私がゴッホについて知っていたのは耳を自分で切った(しかもそれを友人に渡した)ということ。
怖い!!!そんな人がどんな絵を描くのか見てみたい。それが、私がゴッホ展に行った理由のひとつだった。
まさかこんなところで、耳を切る人に出会うなんて。全く心の準備ができていなかったから動揺した。
ところで、栄西禅師って何者なんだろう。中国留学経験ありって、結構凄い人だよね?当時は特に。その人がお茶の種を持って帰って来なかったら…この展示も無かったかもしれない。
栄西禅師のこと
明恵礼賛展のこと