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心の中で絡まっていた物が取れた日の出来事
朝 外にでてとりあえず駅に向かう。仲間から来てたLINEに目を通す。
なぜ私はここで働いているのか。自分に問いただした
色々なことを思い出しながら電車に乗っていた。
行き先は私が大好きでたまらない街。
駅に着いてロータリーを見上げると真っ青な空。見たことある景色だ。そうだ。あの時もいい天気だな。よし、仕事頑張るぞ!!て 自分を奮い立たせてたっけな。店に向かう途中のカラオケ屋さん。ストレス発散にヒトカラしてたな。とか、モンブランの外のボードには毎日お誕生日のお客様の名前が書いてあってほっこりしてたなとか。交差点のメガネ屋さんにはイケメンの店員さんがいていつも挨拶してたな。米粉パンのお店があって、ナナズグリーンティーでタバコ吸ってたな。まだあるのかな。あの時は知らなかった高級子供服ショップが見えたらそこには緑の看板がある。
私が愛してやまないお店
ドキドキしながら階段を一歩一歩降りる。毎日通っていたときとはまた違う緊張感。あの時は張り詰めてたな。私がいた時に落書きした竹がなくなっていたのは内緒。ふふ
ご案内された席に着き見渡す。
あーーーーここだ。カエル可愛い。
私、どんなこと考えながら店長やってたっけな。お店に入った時のにおいとか湿度、BGM、床の感触、目に見える店内、当時の感覚が少しだけ蘇った。
店内を見渡すと8年、いや9年前も来てくれていたお客様が目に入り驚きを隠せない。いつも同じ時間に来店して同じ席に座るんだ。
しばらく店内の雰囲気や注文した料理を楽しむ。
ふと顔を上げると見たことあるお客様が目に入った。
その瞬間一気に8年前の記憶が蘇った。
私が店長の時もとてもよく来てくれていたお客様だ
私が店を離れる時に一言も挨拶出来ずずっと後ろめたさを感じていた。
あれから8年も経っていた。このタイミング。。私がここに来た理由。導かれた理由がなんとなくわかった気がした。
お手洗いから戻るタイミングを測って私は立ち上がり会釈をする。
すると目を丸くし、驚きと感動の表情をしてくれた。
「お久しぶりです。」と言葉にした途端私は涙が溢れた。
思わず両手を出しハグをする。
ーここはなんかの舞台か?
いや。舞台なのかも知れない。
私が育った会社の社長は
ーレストランはエンターテイメントの舞台だ
ーこの舞台の主役はお客様だ
と言ってた気がする。
つまり今まさにこの2人のは舞台の上にいて物語が進んでいる真っ最中なのだ。
8年ぶりに会ったお客様は挨拶もろくにしないで去っていった無責任な店長だった私を迎え入れてくれるのだろうか
実は声をかける前にそんな不安が頭をよぎったのだ。いや。今日ここに来た理由はきっとこれだ。そして今、迎え入れてくれたこと、このことを何よりも感謝しなければならないことだ。
あの時挨拶できなかったことを謝罪した。私の店長時代に心残りであったことが一つここで幕を閉じることができた。
そこから2人の会話は止まらなかった。どんな経緯で今日この店にきたのか。
お互いの話を聞けば聞くほど必然としか思えなかった。お互い育ちも歳も性別もやってきたことも全く違うのに。8年会っていなかったなんて思わないぐらいこの1時間で語り尽くした。
今でもお店に通ってくれていることに驚いた。きっとこんな風にスタッフが変わっても店長が変わっても通い続けてくれるお客様がいらっしゃることを胸に刻み大切にすることでお店は愛されて行くんだな。だからサービス業はやめられない。
今は現場には立っていないが現場に立つスタッフにホスピタリティマインドを伝える仕事をしている。より明確に目的がはっきりした。
〜全てはお客様のために〜 2019.02.20
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現在、私は違う会社で勤務しているがこの日の出来事は忘れてはならない。そう思ったので日記としてnoteに残すことにしました(退職した理由は機会があれば・・)実はずっとスマホのメモに残していたのですがせっかくnoteやってるんだから!と思い少し編集しつつ、公開!!
誰でも心の中で絡まってて取れないものってあったりしますよね。私はあの時家から外に出てなければ一生絡まったままだったかもしれません。たまには心が。身体が求めるままに行動するのも悪くないかもしれませんね。