ダメになって夕陽を見送ってここに落ち着く
メインのテーブルにもサイドテーブルにも物が溢れ始めても気にせず床の掃除は欠かさない。散らかっている現実から目を背けて自分を落ち着かせるようなムーブ。今日は一日中寒かった。いつもの手間のかからない美味しくもない自炊料理を早めに食べ終わって、なんとなくまとまらない気持ちの悪い感情を置き去りにして芸人さんのYouTubeを何度も何度も繰り返し見ていつも同じところで笑う。これらをしたところで何も変わらない。いい方へ運気が傾くことなんてない。それでも気の済むまでこうやって、こんなことしてていいのか?と我に帰るまで、ほんとに気の済むまで、こういう時間を繰り返してみる。あるとき、別に贔屓にしている訳でもないバンドのミュージックビデオがおすすめに登場して、流れのまま視聴すると、なぜか聴き入って、イヤホンを付けてちゃんと音を味わって噛み締めるように聴き入って、Spotifyへ飛んでもう一度聞いて、そのまま、最近はなんとなく好きなのに聞いていなかった曲を聞き返して、そうして、やっぱり、僕の気持ちの落とし所となる存在は音楽であったのだとじんわりと思い出す。今の自分に共鳴する音がそこにはあって、それでしか解けない鎖みたいなのがあって、一発で辿り着けばいいものの、やはり手探りで寄り道をして、でも、結局行き着く先は毎度同じだ。現実逃避で音楽分野での成功を夢見ている訳ではないのだと、こういうときにしか気付けない。でもきっと誰に説明しても無駄なのだろう。闘志があるわけじゃない、昔から目標があるわけでもない。これじゃなきゃ自分を取り戻せない、そういうネガティブな要因で始める人間だっているんだ。そういうのでしか動けない人間だっているんだ。