家庭を壊してまで手に入れたかったもの?不倫か真実の愛か・・ろくでなし女の逝く末〜vol.16【失踪】
どれくらい時間が経ったんだろう
外で遊んでいる子供たちの声で我に帰った私は
立ち上がろうとした。
しかし
倒れた上から踏みつけるように蹴り続けられたせいか
股関節がおかしくなり
足も思うように動かない。
何度も平手打ちされたせいか
耳鳴りが大音響で響いていて
鏡を頭で割ったせいか
後頭部は痺れて感覚がない。
ベットに腰掛けている旦那は
呆然と頭を抱えこんで動かない。
足元には
真っ二つに割られた携帯電話がふたつ
転がっていた。
「出ていけ…
子供らには二度と逢わさん。
男んとこ行くなり一人で死ぬなり
もー勝手にせぇ。」
やっと絞りだした低い声で
怒りを抑えるようにそう言った旦那を
怖い
とか
憎い
などとは
思わなかった。
ただただ
申し訳なかったと。
「分かりました。
子供たちをお願いします
ごめんなさい
ごめんなさい。。」
土下座するようにそれだけを言って
這うように階段を下りた。
下りながら
旦那が10分くらい前に
私の母に電話をして
すぐ来て欲しいと言っていたことを思いだした
母にあわす顔がない。。
私はリビングに置いてあった自分のカバンだけを手に持ち
子供たちに会わないよう
裏口から
家を
出た。
涙は止まっていた。
ただ
この家から離れなければ
子供たちに気づかれる前に
母が来る前に 。
何時頃だったのだろう
夕方…
まだ人目もある道路沿いのアスファルトの道を
ただひたすら歩いた
下を向いて近所の人に顔を見られないよう
自分だと気づかれないよう。
どうしたらいい
これは現実?
わたしは
なにをしているんだろう
どうなるんだろう
フワフワとする脳みそで
自分のことしか
考えられなかった。
続く