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親のデート
「出産をしてからデートを何回しましたか?」
こんなこと聞かれると思わなかったひと、変な質問だと思ったひと、いると思う。
フランスではごく当たり前のように子供を持つ親は親でありながらも変わらず「恋人」である。こんなの映画の中だけの話でしょ、と言われそうなことだけれど、別に特にものすごくロマンチックな、あるいは気恥ずかしいような話ではなく、ごくごく自然で当たり前のこと。むしろ、これが恥ずかしいこと、と思うこと自体がナンセンス、という感じ。
でもどのくらいの月齢の赤ちゃんの親のこと?そしてどうやって?
私の周りだと早くて赤ちゃんが3か月くらいになったころ、「夫(妻)とディナーしてきました」という話を聞くようになる。
多くの人はおじいちゃんおばあちゃんに預けて外出。そうでなくてもベビーシッターを一晩雇うことも厭わない。
これをどう思うか。それは人それぞれである。けれど、預けて親だけで出かけたからと言って子供に悪影響が出るなんてことだけはないと言っておきたい。それに逆に親同士が、普通に恋人として愛し合っているということは子供にとっても非常に大切なことではないだろうか。
私個人的な話をすると、今までに二人で出かけられたのはこの21か月で2回だけ。というのも、うちは双子。これはこれで難解な問題なのだ。それにおじいちゃんおばあちゃんが二人そろっていればいいけれど、私たちの近くにはおばあちゃん一人しかいない。ただ願望はもちろん、ある。
少し子供たちから離れて、夫とゆっくりと話をしたい。それって普通の感情なのではないだろうか。
それを周りが手伝ってくれる。当たり前なんだから、行きなさい、と後押ししてくれる。
子育てをしていると、「親になったんだから仕方ない」というふうに思うことも多々あるし、これからは家族みんなでやるんだ、ということだってある。それはそれでとっても喜ばしくて幸せなこと。もちろん。
でも全部仕方ない、あきらめよう、ではないはず。
日本の場合がいまいちよく分からないからなんとも言えないけれど、とりあえずフランスでは、親になったからといって、両親が二人きりでデートをするということは「できなくなって当たり前、仕方ない」とは言われない分野に属するということ。