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‪⿻‬この曲記念日‪⿻1805.5.9

今日はドイツの詩人フリードリヒ・フォン・シラー(1759-1805)が亡くなった日です。
シラーの詩は、この曲にも使われています。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)
交響曲第9番《合唱付き》第4楽章より抜粋


日本では年末に近づくに連れて全国各地で演奏されることが増える、そんなイメージをお持ちの方も多いと思います。
合唱と独唱は、交響曲が始まってから1時間以上も座って待っていることも恒例のひとつですね。


演奏部分の構成

1、2、3楽章でそれぞれ出てきたテーマが出てきます。
しかし、語り的な旋律がそれらを打ち消すように何度も現れます。この旋律を「レチタティーヴォ」といいます。
それが終わるといよいよあのメロディ。
はじめはシンプルなひとつの旋律だったのが、だんだんと複雑に絡み合って、
ついには爆発的なエネルギーを持って現れます。

まあ色々な事情でだいぶカット
✂︎しまして、
最後の最後、壮大すぎる終わりへ。果てしなく明るい、歓喜の歌が締めくくります。


ベートーヴェンと詩

ベートーヴェンが20代前後の頃に元となったシラーの詩「An die Freunde」に出会い、その30年後にこの交響曲に書き込みました。
満を持して、といったところでしょうか。

実は、シラーの詩を丸々使ったのではなく、一部をベートーヴェンが歌詞として書き換えたものなんです。

シラーがフリーメイソンリーの理念を書いた作品『自由賛歌』がフランス革命の直後『ラ・マルセイエーズ』のメロディーでドイツの学生に歌われていました。そこで詩を書き直した『歓喜に寄す』を出したところ、これをベートーヴェンが歌詞として書き直し、交響曲第9番で合唱と独唱に歌わせました。

以前、交響曲第3番「英雄」でも書きましたが、
ベートーヴェンは時代や音楽に自由を求めていました。それが強く感じられるエピソードですね。

長いですが、せっかくなので詩を載せます。
ぜひシラーとベートーヴェンと、フランス革命の時代の信念に想いを馳せてみてください。

日本語歌詞訳
「歓喜に寄す」

おお友よ、このような音ではない!
我々はもっと心地よい
もっと歓喜に満ち溢れる歌を歌おうではないか
(ベートーヴェン作詞)

歓喜よ、神々の麗しき霊感よ
天上の楽園の乙女よ
我々は火のように酔いしれて
崇高な汝(歓喜)の聖所に入る

汝が魔力は再び結び合わせる
時流が強く切り離したものを
すべての人々は兄弟となる
汝の柔らかな翼が留まる所で

ひとりの友の友となるという
大きな成功を勝ち取った者
心優しき妻を得た者は
彼の歓声に声を合わせよ

そうだ、地上にただ一人だけでも
心を分かち合う魂があると言える者も歓呼せよ
そしてそれがどうしてもできなかった者は
この輪から泣く泣く立ち去るがよい

すべての被造物は
創造主の乳房から歓喜を飲み、
すべての善人とすべての悪人は
創造主の薔薇の踏み跡をたどる。

口づけと葡萄酒と死の試練を受けた友を
創造主は我々に与えた
快楽は虫けらのような弱い人間にも与えられ
智天使ケルビムは神の御前に立つ

天の星々がきらびやかな天空を
飛びゆくように、楽しげに
兄弟たちよ、自らの道を進め
英雄のように喜ばしく勝利を目指せ

抱擁を受けよ、諸人(もろびと)よ!
この口づけを全世界に!
兄弟よ、この星空の上に
ひとりの父なる神が住んでおられるに違いない

諸人よ、ひざまずいたか
世界よ、創造主を予感するか
星空の彼方に神を求めよ
星々の上に、神は必ず住みたもう

ドイツ語歌詞
An die Freude

O Freunde, nicht diese Töne!
Sondern laßt uns angenehmere
anstimmen und freudenvollere.
(ベートーヴェン作詞部分)

Freude, schöner Götterfunken,
Tochter aus Elysium
Wir betreten feuertrunken.
Himmlische, dein Heiligtum!

Deine Zauber binden wieder,
Was die Mode streng geteilt;
Alle Menschen werden Brüder,
Wo dein sanfter Flügel weilt.

Wem der große Wurf gelungen,
Eines Freundes Freund zu sein,
Wer ein holdes Weib errungen,
Mische seinen Jubel ein!

Ja, wer auch nur eine Seele
Sein nennt auf dem Erdenrund!
Und wer's nie gekonnt, der stehle
Weinend sich aus diesem Bund!

Freude trinken alle Wesen
An den Brüsten der Natur;
Alle Guten, alle Bösen
Folgen ihrer Rosenspur.

Küsse gab sie uns und Reben,
Einen Freund, geprüft im Tod;
Wollust ward dem Wurm gegeben,
und der Cherub steht vor Gott.

Froh, wie seine Sonnen fliegen
Durch des Himmels prächt'gen Plan,
Laufet, Brüder, eure Bahn,
Freudig, wie ein Held zum Siegen.

Seid umschlungen, Millionen!
Diesen Kuss der ganzen Welt!
Brüder, über'm Sternenzelt
Muß ein lieber Vater wohnen.

Ihr stürzt nieder, Millionen?
Ahnest du den Schöpfer, Welt?
Such' ihn über'm Sternenzelt!
Über Sternen muß er wohnen.

stand.fm、Podcastにてピアノ演奏を収録、配信しております。合わせてぜひご視聴ください。↓

ご覧いただきありがとうございました。
次の配信をお楽しみに!

参考文献
『1冊でわかるポケット教養シリーズ 1日1曲 365日のクラシック』2019/11/20発行,近藤憲一/著

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