第121話 Dr.クマひげ
テキストには意外な効用がある。世間一般の方は気がつかない、そんな効用だ。
それは、【言葉で薦めても、ゆかりちゃんに拒否される】が、【テキストだと案外に、お薦めが受け入れられたりする】という、それはそれは大変ありがたい効用なのだ。
原作:史村 翔 漫画:ながやす巧 『Dr.クマひげ』
もう販売してないのかもしれない。( ↑ 僕のスマホでの写真です。クリックしてもAmazonなどには飛びません)
僕は、数年前に古本を購入した。全5巻だ。
購入した理由は【永久保存】に認定された【名作】だからだ。僕の大きな本棚には【永久保存】の【名作】が並んでいる。
永久保存と認定したのは、僕だ。僕のみだ。
久しぶりに、チラッと読んだが、即効で泣いた。
もう、何十回と繰り返し読んでいる(僕は、大好きなマンガを繰り返し読むという行為が、これまた大好きなのだ)から、少し読むだけでストーリーを思い出す。読むと浮かぶ感情まで思い出してしまう。
1話だけなら10秒以下で読み終える。
そして号泣。
名作なので、内容には1ミリも触れたくない。名作なので、読んでいただきたい。
親ならば、わが子に幸せになってほしいと願うではないか。そして、わが子が幸せになるために、ぜひ読んでほしいのがこのコミックなのだ。
幸せとは何か? 幸せを掴むために必要なことは何なのか?
答えがあるのではない。
それを見つけるための、最高の【問い】が提示されているのだ。考えさせられるのだ。
*
晩ごはんを終え、散歩し、ゆかりちゃんは洗い物も終えた。そして、僕の号泣をちゃかす。「これで涙をふいたら?」と。
差し出したのは、テーブルを拭き終えた布巾だ。
「あのね。そういうの、、、ふきん、シンじゃない?」
ここで、わからないのが、ゆかりちゃんだ。・・・仕方ない。
「ふきん、、だけに」と付け加えた。
「にゃはははははは~!」
受けた!
「今のはおもしろかったわ~」
ん? 今のは? ふだんは?
僕は、そんなゆかりちゃんが大好きなのだ。