容疑者? 現行犯逮捕でも? 証拠動画があっても? 当人が犯行を認めていても?
僕は、言葉狩りが好きではありません。
そんな僕ですが、「あなたが、言葉狩りしているじゃない」と言われてしまいそうな記事を、今日は、あえて書きます。
◆言葉狩り(揚げ足取り)が嫌いな理由
TVの情報番組(という名のバラエティー番組)などで見られる言葉狩りは、僕には、揚げ足を取っているだけに見えます。
要するに、『言葉狩り』も『揚げ足取り』も同じ意味です。
揚げ足を取ってからかっているのを、さも、真面目な意見や真剣な要求に見せかけて、なおタチの悪い行ない。それが、言葉狩りでしょう。
政治家や有名人が、失言したとします。
例えば、誰かを「バカ」と言ったと…。
この単語を切り取って、ウンヌン言うのはナンセンスです。
前後の文脈によって、「バカ」の意味が変わってきますから。
僕なんかは根がスケベですから、女性に「バカ♡」とか「バカ~ん♡」と言われるのは大スキです。
さらに、文脈だけでは判断できません。
発言者と対象者の、関係によって意味が変わるからです。
親友に厳しい意見を言うときと、嫌いなヤツに厳しい意見を言うとき、その心の中は真逆です。
応援と攻撃くらいの、真逆があり得るのです。
発言者の性格も考慮するべきでしょう。
ブラックジョーク好きとか、愛情ゆえの軽口をよく叩く人とか、そういう人っていますよね。
要するに、単語だけ切り取って、
「この発言はけしからん!」「このような発言は許されません!」というのは、僕に言わせれば、
「そのような、揚げ足取りこそ許されないんちゃうか?」です。
◆容疑者
そんな僕が言葉狩り、みたいなことをします。
揚げ足を取ってからかう、なんていうことはしません。
新たに、別な単語を作るべきではないか?
という、いたって真面目な提案です。
でも、報道では、その人を『容疑者』と呼びます。
僕は、このことに違和感MAX、なのです。
◆裁判による罪の確定がされていないから
みなさんご存知のように、日本は法治国家です。
政治家や官僚だって、弁護士や裁判官だって、法を犯せば法によって裁かれます。
だから、
逮捕された:容疑者(被疑者)
起訴された:被告人
罪が確定した:受刑囚(死刑囚)などと、呼び名がかわります。
インターネットでも調べました。
◆罪の未確定と、犯行の未確定
現行犯で逮捕された。
逮捕された当人が、その後の警察の調べで犯行を認める供述をしている。
でも、罪は未確定。
裁判どころか、まだ起訴もされていない。
だから『容疑者』と呼ぶ?
確かに、精神鑑定で責任能力なしと診断され、無罪になる、という可能性はゼロではありません。
しかし、確かに罪は未確定ですが、犯行は確定していますよね。
明らかに、その人物が犯行を行なったのです。そして現行犯逮捕され、それらの映像記録も、複数ある…。
逮捕された本人も、それを認めている…。
◆犯行未確定での逮捕
上記の例とは異なり、犯行が未確定の『容疑者』というのがあります。
ぜひ、自分事として想像してみてください。
このような事件があったとき、あなたは、99.9%『逮捕』されます。
任意での事情聴取を求められるでしょうが、拒否したなら逮捕状が出るハズです。僕の、ミステリー研究結果は、そう分析しています。
(根拠は推理小説や刑事ものドラマ)
事情聴取に素直に応じても、TVのニュースでは「警察は、容疑者に任意で事情聴取を行なっている」と報じるでしょう。
あなたは、容疑者です。
あなたが有名人でもない限り、TVのニュースで報道はされないかもしれませんね。
いや、地方局のニュースなら、報じられる可能性がけっこうありそう…。
このあとの警察の捜査で、あなたが無実と判断されるのか否か。
起訴された場合、有罪になるのか、または無罪になるのか。
どうなるのか、まったく分かりません。
それぞれ、どっちも、あり得る気がします。
TV局は、
「報道では、まだ罪が確定していないから、ちゃんと『容疑者』と呼んだ」
と、そういうスタンスなのでしょう。
でも、こちらのケースは、罪が未確定なだけではありません。
犯行も未確定なのです。
◆世間は?
現行犯逮捕で、かつ、当人の自供もある、という人物も『容疑者』と呼ぶ。
犯行は確定していて、それでも『容疑者』です。
犯行が未確定で、かつ、当人が犯行を否定していても、やはり『容疑者』と呼びます。
世間では、
容疑者 = 犯人
って、そう思っていませんか?
僕は、そう思っている人が多いと思います。
ここに僕の危惧があるのです。
◆無実の容疑者を守るべき
罪を犯していても、「オレはやってない」と嘘をつくことでしょう。
警察組織は神様ではありませんから、調べないと、誰が犯人か分かりません。
容疑者に逃げられたり、証拠隠滅をされても困りますから、事情聴取や逮捕は、然るべき捜査上の手段だと思います。
しかし、無実の人にとっては、取り調べされるだけで、もの凄い迷惑です。
気の早い正義感を振り回す輩には、犯人扱いされます。
世間体を気にする会社からは、邪魔者扱いされかねません。
邪魔者扱いした輩は、容疑者の無罪が証明されても「ゴメン」と謝ったりはしません。
そんな輩は、自己保身から「怪しいから逮捕されたんだ」「火のない所に煙は立たぬ、って言うじゃないか」などという言い訳を、最大のボリュームで撒き散らす可能性、大です。
このようにして、無実の人が、2重にも3重にも苦しめられます。
捜査や報道は、行なって然るべきですが、ちゃんと無実の人を守るべきではないでしょうか。
その仕組みを考え、講じるべきです。
現状では、あまりにも無実の容疑者が、ひどい扱いをされ過ぎています。
◆現行犯者
現行犯で逮捕された人の呼び方は、現行犯者 などとするのが良いと思います。
少し長いけど、「現行犯逮捕者」とか、「襲撃実行者」とか「犯行実行者」とか、新たな呼び方が必要です。
もしくは、犯行も未確定なら「容疑者」とか「被疑者」と報じるべきではありません。「重要参考人」で良いと思います。
◆供述の報道を義務化
日本は、司法の面では先進国と言えません。
取り調べの可視化も進まないし、弁護士の同席も認められていません。
なにより、刑事事件で起訴されると99.9%が有罪になるなんて、不自然極まりない。
では、えん罪はないのかというと、たくさんあるのです。
マスコミも、社会的制裁を加えておきながら、えん罪となると手のひらを返して捜査機関を責め立てます。
松本サリン事件の反省がないのかと、僕は、かなり呆れています。
そこで、僕の提案は、「容疑者逮捕」とか「容疑者に事情聴取中」などと報じた場合、必ず、容疑者の認否を報じる。これを義務化する。です。
「容疑者を逮捕。容疑者は犯行を認める供述をしている」なのか、
「容疑者を逮捕。容疑者は犯行を否定している」なのか。
ときに、「容疑者の認否は、警察から発表されませんでした」という報道があります。
認否に触れる姿勢は評価しますが、しかし、この場合、報じてはダメです。
視聴者に、勝手な想像を与えかねません。
◆まとめ
容疑者:『現行犯者』と『重要参考人』に区別する
現行犯者:現行犯で逮捕された人物
重要参考人:犯行が未確定な人物が逮捕や事情聴取されたときの呼び方
新ルール:重要参考人の、逮捕や事情聴取という事実を報じる場合、認否の報道を義務とする
◆〆
こういう話を、ゆかりちゃんにすると、鬱陶しがられます。
でも、
僕は、ゆかりちゃんが大好きなのです。
ラジオで「うそっぱちだ」と言われても、そんなことはありません。
僕は、ゆかりちゃんが大好きです。
おしまい
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僕の、初のKindle本 ↓『いいかい、タケルくん』【考え方編】です。
読むと、恋人ができてしまう自分に変わります。
ご一読いただけたら幸いです。
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