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第176話 保育・塾に『保セミ』が必要な理由
ゆかりちゃんとの会話で、『保護者セミナー』略して『保セミ』の、必要性の説明が「足らなかった」と気づいた。
ゆかりちゃんが、以下のような不安を言った。
保護者の考え方が多岐にわたっている
良かれと思ってやったことが、感謝されない
利用だけしようとする、ズルい人もいる(テイカーだな)
おやつの成分に、細かい注文を付ける保護者を見た
わたしの時代でさえ、まして今ならもっと難しいだろう
ゆかりちゃんは、これらの問題点を言って、「だからホントに、子どもをあずかるなんて、難しいと思う」と意見を結んだ。
ゆかりちゃん自身が、10数年まえに、学童保育を利用して、そう思ったのだ。
結論を言うと、「だから『保セミ』が必要なんだよ」となる。
もちろん、これだけでは説明不足だから、もっと詳しく説明する。
わかりやすくするために、保育園と塾を1年後にスタートすると仮定し、説明する。土地、建物、設備は完成しているものとする。
僕の構想は、1年間、無料の『保セミ』を、ガンガン行なうことからスタートするのだ。
◆保育での『保セミ』コンテンツ例
・子育てとは
・乳児とは
・幼児とは
・当園の特徴
・当園の1日
・睡眠について
・生活について
・食育について
・衛生について
・夫婦仲良くのヒント
・父親へ「女性とは」
・母親へ「男性とは」
・幼児教育のメソッドとは
メソッドを、詳しく解説すればコンテンツが増える。ほかにも「保育の『今』と『昔』を比較」とか「緊急対応」「災害時対応」など、要は、保育園スタッフが、言いたいこと・訴えたいことが、コンテンツとなる。
◆保育の、理念・方針
僕は、保育に関しては素人だ。だから、専門家の意見を聞くべきだ。
ただ、ひとつだけ、ゆずれない方針がある。
『見守る』だ。
僕が、わが子を預けるなら、ちゃんと見守ってほしい。ほかにも色々あるかもしれないが、それらはすべて『メイン』ではない。
ちゃんと『見守る』ために、どんな仕組みがあるのか。どんな工夫があるのか。どんなスタッフ教育を行なうのか。保護者にどんな報告がなされるのか。僕が、預けるのなら、そこが1番知りたい。
ちゃんと『見守る』。余計なことをしない。過不足のない報告がある。
この『見守る』というメインに、いくつかのサブが加わる。
サブの筆頭は『遊び』だろう。ほかにも、シュタイナー教育やモンテッソーリ教育とか、『教育メソッド』があるが、僕は専門家ではないので、詳しくは語れない。(本当に、やるのであれば徹底的に勉強する)
中田敦彦さんが、YouTube大学の中でモンテッソーリ教育を解説していた。それによれば、【保護者の生活改善が重要】だった。
考えてみれば、ごもっともだ。
子どもは、『親のいうことなど、ききはしない』。そういうものだ。
子どもは、『親のやることをまねる』。そういうものなのだ。
なおのこと、『保セミ』が重要なのだ。保護者が学ばなければならないのだ。保護者が、習慣を変えなければならないのだ。
◆塾での『保セミ』コンテンツ例
・小学1年生とは
・低学年(2年生)とは
・中学年(3・4年生)とは
・高学年(5・6年生)とは
・中学生とは
・男の子とは
・女の子とは
・いじめとは
・国語とは
・英語とは
・算数とは
・理科・社会とは
・音楽・美術とは
・技術・家庭とは
・お金とは
・2020年、2021年とは(現在・最新とは)
・躾とは
・幸せとは
・現教育とは
・子どもたちの迎える未来とは
・これから必要な人材とは
・世界における日本の教育の現実とは
コンテンツは、いくらでもできる。
たとえば、マウンティングしたがる人がいて、それを下らないと思っている人がいる。
どちらが正しいかの議論は、難しいし無意味だが、「当塾では、Aの考え方だ」と宣言することはたやすい。考え方の合わない方は、ご遠慮ください、というメッセージにもなる。
◆塾の、理念・方針
基本を鍛え、子どもが【何者にでもなれる】ように支援する。それが子ども教育の根幹だど思う。
基礎
・国語
・算数
・習慣
・あいさつ
・お礼(ありがとう)
・謝罪(ごめんなさい)
・手助け
・笑顔
・読書
・調べる
・考える
・追及する
・基礎体力作り
・熟睡(しっかりと疲れてもらう)
・小学4年生から週1で 政治経済(お金の勉強)
以上が、基礎となる。
基礎とは、「これがあれば、生きていける」「これがあれば、幸せになれる」という、めっちゃ大事なことなのだ。その大事なことを、ちゃんと教えたい。
選択教科(子どもの「好き」を伸ばす)
・理科
・社会(主に歴史)
・美術
・音楽
・料理
・DIY(技術ともいう)
・スポーツ
「教えない」という特徴
調べる手助けはする。考える手助けもする。
進学塾ではないが、自然に、良い高校に受かるくらいの力がつく。(この『結果』が出るまでは、赤字だろうなあ)
成功哲学をレクチャー
塾なのに「成功哲学」をレクチャーする。子どもにレクチャーするのだ。
ものの見方・考え方を鍛えるのだ。
「幸せになりなさい」と教えたい。
「幸せの種類は、人間の数だけある」と教えたい。
「君の『幸せ』を掴むんだ」「できれば、多くの人の幸せに貢献しよう」と教えたい。
日本や世界の、リーダーを育てたい。
今の学校教育はダメ
今の教育は、全くダメ。という前提に立った塾だ。
当然だが、そう簡単には受け入れられはしない。特に、学歴を重んじる大半の保護者には、そっぽを向かれるだろう。
◆絵に描いた餅
塾の経営者には、「理想論」「絵に描いた餅」と、そう思われただろう。僕も、そう思う。
これではもうからない。赤字になる。
だから、僕は、やりたいことの24番目にしたのだ。
ほかの事業を成功させて、塾経営は「赤字でもかまわない」「それでも運営できる」という状態になって、それではじめて着手する計画なのだ。
黒字化を気にしたなら、保護者へ迎合した、保護者ウケの良い教育、の提供となってしまう。
◆まとめ&〆
僕がやりたいのは、こういう塾なのだ。
小学生のうちから、人材育成をしたい。
孤高に、わが道を追求したいという、いわばイチロータイプの子もいるだろう。自己研鑽を支援したい。
そして、すばらしいリーダーを輩出したい。
結論
保育、塾に、『保セミ』が必要な理由。
それは、【正しい教育】と【保護者の望む教育】が、異なるから。
もっと丁寧に言語化すると、「当塾が【正しいと考える教育】と、保護者が【正しいと考える教育】が異なるから」となる。
『保セミ』で、考えの異なる方には、ご遠慮いただく。
『保セミ』で、【当塾が正しいと考える教育】を、理解していただく。共感していただく。
スタート前の、お試しだけでなく、入園・入塾後も、『保セミ』にガンガンきてもらう。理解を深めてもらう。アップデートを、リアルタイムで知っていただく。そこには、入園・入塾まえの保護者もいる。
だんだんと、効率的になる。
『保セミ』はサブではないのだ。塾のメインだ。
集客にも役立ち、顧客を教育でき、選別でき、クレーマーを排除でき、結果、時間が節約でき、保護者をファン化できるのだ。信者化できるのだ。常に情報を開示するので、信頼も生まれる。塾と保護者が「一緒に」「共に」子どもを育てましょう、となる。一体感も生まれる。
これは、もちろん『保セミ』のコンテンツのクオリティにもよるが、書籍や動画などで、塾側のコンテンツクオリティの研鑽は、けっこう簡単だ。
ゴリゴリのビジネスマンにレクチャーするのではないのだ。自己啓発がゼロや1の方に、3や4のレクチャーで、ものすごく感謝される。僕は体験者だ。机上の空論ではない。
余談だが、「やさしさ=許すこと」を、保護者に訴えたくて、僕はセミナーで、さだまさしさんの『償い』を歌った。弾き語りといいたいが、ギターはデニーロ(部下のニックネーム)に弾いてもらった。詳細は、これで1つの記事になりそうなので、別に書くとする。
ここで言いたいのは、この僕の『歌』が、めっちゃ好評だったことだ。
ほとんどの保護者は泣いた。
そして、「わが子を許す」というテーマを持ち帰ってくれた。
歌手を呼ばなくていいのだ。もしかしたなら、僕の歌が、僕の思う以上にイイのかもしれない。
調子に乗ったら、「結論」と書いてからが長い! 話を戻す。
大事だから、もう一度書く。
保育、塾に、『保セミ』が必要な理由。
それは、【正しい教育】と【保護者の望む教育】が、異なるから。
これが結論だ。
もう1つ結論。『保セミ』はメインだ! サブではない!
***
ゆかりちゃんの不安を思い出してほしい。
保護者の考え方が多岐にわたっている
良かれと思ってやったことが、感謝されない
利用だけしようとする、ズルい人もいる(テイカーだな)
おやつの成分に、細かい注文を付ける保護者を見た
わたしの時代でさえ、まして今ならもっと難しいだろう
その通りなのだ。塾運営は、ここが大変で『鍵』なのだ。
だから、考えの違う方や、テイカーやクレーマーの排除が、めっちゃ重要なのだ。それらに関わると、先生は『本業』ができなくなるのだ。
だから『保セミ』なのだ。
どうかな? ゆかりちゃんは、これで分かってくれるだろうか?
今、車で帰宅中の、ゆかりちゃん。僕はlineで「note書いた!」と送る。いつものパターンだ。
今日のゆかりちゃんの感想を予想する。
「わかったよ~(だいだい)」「でも、長い。長すぎる」
こんなところだろうか。
僕は、そんなゆかりちゃんが大好きなのだ。
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