店員さんの最大限の配慮にも、限界というモノはあるのです
妻のゆかりちゃんはアウトドア派。
だからステイ ホームが、超~~~辛かったらしいのです。
ちなみに僕はインドア派。
1日中家の中で、何の問題もありません。
その日は、ゆかりちゃんが珍しく、平日にお休みでした。
「イオンモール行こう!」
「IKEAも行こう!」
「ユニクロにも寄ろう!」
と、めっちゃハイテンションです。
ショッピングモールをブラブラすると、マッサージ器の無料体験コーナーがありました。
珍しいのは、ソファータイプではなく、ベッドタイプ!
フランスベッドがメーカーという、マッサージ器です。
ゆかりちゃんは、お試しする気マンマンです。
でも、その後にセールスがあることも明確です。
高額なマッサージ器は、金額的に購入するワケがなく、かつ、ベッドタイプはスペース的にも、購入は不可能です。
僕はためらいました。
断ると決まっているのに、セールスの方の時間を奪いたくないのです。期待させてしまうのも、気が引けます。
その同じ場所には、簡易健康測定機がありました。
血管年齢が測定できるようです。
指を入れて、少し待つだけみたい。
ベッドマッサージ器に誘導するための、小さなステップなのでしょう。
ゆかりちゃんが食いつきました。
釣られました。
そもそも、マッサージ器も試したがっていますし…。
絶対にマッサージ器を、ゆかりちゃんは買いません。
僕が「買おう」と言っても、絶対に断ります。
なのに、お試しに、遠慮しません。
血管年齢も調べ、マッサージ器も体験する気、120%です。
そういえば、ゆかりちゃんは、買わないと決めていても試食します。
僕はそれが嫌で、それでケンカすることがしょっちゅうです。
ゆかりちゃんが、血管年齢を測定しました。
店員さんが、「結果は【E】判定です~」と、小声で、さも申し訳なさそうに告げました。
「え? E判定って?」と、僕。
店員さんの説明は、「E判定は、血管年齢が、60歳~67歳になりま…」と、語尾が、中森明菜さんのように、聞き取れない言い方でした。
さあ、この結果に、ゆかりちゃんが納得するハズがありません。
「じょーじが、途中で話しかけるからや!」
「じょーじもやってみ!」
僕も測定しました。
マッサージ器に誘導するために、高目に出る、そんな設定もあり得ます。
僕の結果は【A】。
「【A】は、血管年齢、30歳から40歳です」と、今度は店員さんの語尾も、ちゃんと聞こえました。
「私の時は、じょーじが話しかけたから~」
と、ゆかりちゃんは再計測する気、150%です。
心なしか、店員さんが祈るような表情をしています。
僕には、そう見えました。
「今度は、話かけちゃアカンからね!」
「わかった、わかった」
判定結果は、【F】。
「【F】の血管年齢は、62歳~74歳です」
僕、爆笑。
ゆかりちゃんも、苦笑い爆笑。
店員さんも、堪えきれずに爆笑。
こうなったらオモロイだろうなぁと、思った通りになっちゃいました。
このあと、ゆかりちゃんはベッドタイプのマッサージ器を10分か15分か、しっかりお試ししました。
そして、購入の勧めに、
「う~ん。ムリかなぁ~。ちょっと考えてみますね~」
と、堂々とウソを言って、そのスペースを去りました。
「アンタ、血管年齢のこと、ぜったいnoteに書くやら~?」
と、ゆかりちゃんは、笑いながら僕に言います。
こんな極上のネタ、書かないハズがありません。
僕は、たとえ年齢が何歳であろうとも、ゆかりちゃんが大好きです。
おしまい
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