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店員を困らせる、話の長~い迷惑なお客さまは、どこに行くべきだろうか

◆1

僕とゆかりちゃんは、娘のことを「るーちゃん」と呼びます。もちろんニックネームです。
大学生のるーちゃんは、喫茶店でアルバイトをしています。

るーちゃんはアルバイトから帰宅すると、いきなり話し出しました。

「ああ! もう! ホント腹立つ!」
「ちょっと、もう~、聞いて欲しいの~!」

「どうしたの?どうしたの~?」と、ゆかりちゃん。


「あのね、今日お店でね」
「…っていうか、今日に限ったことじゃないんだけどぉ」
「わたしが、超~忙しいのに、なんで、何度も話しかけてくるの~?」
「忙しいの、見たら分かるのよ~!」
「いくら常連でも、ほんっとに困る!」
「わがまますぎる!」

「常連さんって?」と、ゆかりちゃん。


◆2

「常連のおばあちゃんたち! 」
「あ、今日は、1番ヒドかったのは、おじいちゃんだったんだけどもぉ~」

「あ~ぁ」

「お年寄りって、何度も何度も同じ話しするの!」
「そして、話が長い!」
「長すぎる!」
「ヒマな時ならまだしも、超~~~忙しいときでも!」
「わざわざ『奈星さ~ん』って呼ぶし!」
「レジにお客さんが並んでるのは一目瞭然なのに!」

「お年寄りは、話、長いよねぇ~」


◆3

「お客さん同士の話も聞こえてきちゃうんだけど~」
「話の内容は、どうでもイイようなこと、ばっかり!」
「毎回毎回、ど~でもイイことばっかりなの!」
「ま、お客さん同士の話だから、それはイイんだけどぉ~」
「こっちにも、どうでもイイ細かいこと言い出すし~ぃ」
「入ったばっかりの新人の子に、『私のこと知らんの?』って」
「説教とか始めるし!」

「ウチの窓口に来るお客さんにも、そういう人いる~!」
「話が長い~!」
「お年寄りに多い」
「説教する人もたくさんいるよ~」
「理不尽なクレーマーもいるし!」

ゆかりちゃんが激しく同意しました。

「そうそう! どうでもイイようなことに文句言わん?」と、るーちゃん。

「言う言う~!」
「どうでもええやん!っていう文句を~」
「さも大問題かのように言う~~~」
「あとね、たとえイイ人でも、世間話が目的の人には困るわ~」
「話が、ま~、長いから!」
「きっと普段、話し相手がいないからや思うわ」
「相手されるこっちは、ホント迷惑!」
「こっちは忙しいのよ!」
「ああいう人はねぇ~」
「喫茶店に行けばいいのよ!」

「・・・」

るーちゃんは無言になりました。


◆4

僕は大爆笑です。

「ゆ、ゆ、ゆかりちゃん、ふ、ふふ、腹筋がつるわ~~~!」

「な、なによ?」

「るーちゃんが、たった今、『そんな人が喫茶店にきて困っている』って、そう言ったばっかりやん~」

「あっ!」


るーちゃんは、苦笑いしていました。




おしまい




※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第588話です
※マガジン【ゆかりちゃんの『天然』のポートフォリオ】↓ に加えます




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奈星 丞持(なせ じょーじ)|文筆家
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