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第323話 僕は、15年くらい前に『内観研修』を受けた


ゆかりちゃんは、昨日の記事を読んで、

「どんだけヒマなの?」

「この分析いる?」

「自信家すぎて、ちょっと引くわ~(笑)」

と、LINEで感想をくれた。

感想をくれたのは、ついさっきなので、おそらく昨夜は読まなかったのだ。


僕は、「ゆかりちゃんは、15000人の頂点」と返したのだが、この返信は、既読スルーされた。


***


おそらく、15年か16年まえに、僕は、栃木県にある『瞑想の森 内観研修所』へ行った。HP ↓


【内観】を知ったのも、ここ、『瞑想の森 内観研修所』を知ったのも、株式会社エナジャイズから教わった。エナジャイズは、主に企業へ【人材育成研修】を行なう会社で、そのエナジャイズの、当時の主力商品が『内観研修』だったのだ。

僕は、講師見習いで入ったばかりだった。

僕は、「主力商品を体験してきなさい」と、内観研修の参加を命じられたのだ。こういうの好きなので、僕としては、願ったり叶ったりだった。


この『内観研修』の、前々日くらいに、ボスの研修を見学した僕は、ボスに感想を求められて、「以前のキレがない」と、低評価を伝えた。

ボスは、そのボスの研修の中で『風通しの良い組織とは、誤解や曲解の怖れがなく、率直な意見交換が行われる』と説いていたので、僕は、なんのためらいもなく、思った通りに話したのだ。

しかし、この僕の発言は、どうやらボスの逆鱗に触れたらしく、ボスからは、「この内観研修の感想いかんでは、君はクビだ」と通告されていた。


◆内観とは(僕の体験談)

あえて調べずに、僕の記憶を書く。

結論から言うと、「ただただ、自分の心の中を見つめる1週間」だった。


たたみ、半畳のスペースに座る。楽な姿勢でかまわない。

視界は、屏風で仕切られる。


「0歳から3歳までの、自分と母を見つめてみます」と、そんな感じの【宣言】をして、内観を始める。

この場合は、「母から、していただいたこと」と、「母に、して上げたこと」「母に、めいわくをかけたこと」を思い出す。


1コマが、90分から120分くらいだった。

時間が来ると声をかけられる。この時間で、なにを思い出したかを報告して、次の内観を宣言する。「4歳から8歳までの、自分と母を内観します」と、そんな感じのことを言って、また次の内観に取り掛かるのだ。


基本、これだけだ。

これを、ただ、繰り返す。母が終われば、父、そして、家族や、兄弟などを思い出す。

最終日は、「もう一度、お母さんがイイですよ」と言われた。


◆瞑想の森 内観研修所

ご飯が旨かったなぁ。今なら、玄米を選ぶが、当時は、白米を選択した。断食にも、少し興味は沸いたが、やめた。

とにかく、ごはんが美味しかった。


また僕は、とある、超有名なプロ野球選手が内観したという、その同じ半畳で瞑想した。

(ここに、あの○○○が座ったのかぁ~)、と思うと、すごく気分が良かった。

その方は、現役時代、年に一度のルーティンとして、内観をしたらしい。


今では、人気漫画家となった、○○さんも、この瞑想の森で内観したらしい。当時僕は、知らないマンガだったが、内観研修のあと、帰宅途中の本屋さんでコミックを買った。

めっちゃ面白くて、今も読んでいる。まだ連載が続いているのだ。


◆僕の内観

5日間、これといった、気づきを得られずに、ただただ、時が流れた。

(こんなものなのか?)と、少しの焦りを覚え、(僕には響かないのか?)と、無意味に感じたりした。


途中から、内観の報告の音声(たぶんカセットテープに録音したモノ)が、スピーカーから流れるようになった。1日中ではないが、日に2時間か3時間くらいだろうか、ちょくちょく流れるのだ。

その、スピーカーから聞こえる報告は、涙ながらに、嗚咽まじりで行なわれているのだ。

(え? こうなるものなの? ボスから、そんなことを聞いてはいたけど、こうならないと、ダメなの?)と思ったが、だからといって演技はできない。

ただ、となりのスペースで内観していた、若いお兄ちゃんが、明らかに、この放送の影響を受けだした。

聞く気はなくても、聞こえてくるのだが、芝居がかった嗚咽まじりの報告に変化したのだ。しかも、役者でもない一般人だから、その演技が下手なのだ。

僕は、逆に、少し冷めた感じになった。


◆元妻

6日目だった。

別れた妻の映像が浮かんだ。

実の娘との内観だったのかもしれない。元妻との内観は、行なおうとは思わなかったハズだが…。記憶があいまいだ。


だが、映像は、今でも鮮明に憶えている。

暗闇に、元妻が座っている。正座を横に崩したすわり方だ。
僕は、それを、彼女の背中の方から見ている。
妻に、弱いスポットライトの光が当たっている。
赤ちゃんをだっこしていて、その赤ちゃんは娘だ、とわかる。
元妻が、(とても淋しいんだ)と、なぜか、そうわかる。伝わってくる。


絵が描けるくらいに鮮明な映像記憶なのだ。

そして、これは、夢のようだが夢じゃない。

この、内観中、僕は、まったく眠くならなかったし、眠らなかった。


◆内観終了後

僕は、元妻に手紙を書いた。少しまえに辞めた会社の、社長へも手紙を書いた。

僕は「僕は間違っていない」と、ずっと、本気で、そう思っていたが、どうやら僕が悪かったみたいだ。

どうしても、そう感じるのだ。

当時、まったくもって上手く言語化できないのだが、その結論が揺るがないのだ。

(僕が悪かった)と、どうしても、そう感じるのだ。

たぶん、内観の効果?なのだろう。そうとしか説明ができないのだ。


そして、・・・、だからかな、「僕が悪かったのだから、謝るべきだ」と思った。

謝罪の手紙などを送ったなら、元妻も、元社長も、「やり直したいのか?」と誤解するだろう、と思った。

だが僕は、やり直したいとは、1%も思わなかった。許してほしいとも思わなかった。

ただ、謝りたかった、だけなのだ。


これは、単なる自己満足でしかないから、やめようかと何度も思ったが、考えに考えて、「ごめんなさい」、「申し訳ございませんでした」と、謝罪すると、結論を出した。

誤解上等で、手紙を書いて、そして出した。


「やり直したいという意味ではありません」と、そのような説明は、1文字も書かなかった。

それは、質問されたときに答えればいいことで、聞かれてもいないのに、そのように書くのは、失礼に当たるような気がしたのだ。

100%、謝罪の手紙だった。

書いた手紙の、詳しい文章は憶えていないが、概要は、

「内観研修を受けた」「内観研修の簡単な説明」「なぜかは分からない」「どこがどう、というのも分からない」「でも、僕が悪かったと感じている」「ごめんなさい(申し訳ございませんでした)」

と、そんな内容だった。

当然だが、なんのリアクションもなかった。そりゃあそうだ。「良くはわからないんだけど、ごめんなさい」という手紙が届いただけなのだ。

ちなみに、今は、『反応しない練習』『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』の3冊のおかげで、明確に分かる。

僕が、悪かったのだと、明確に分かる。ひとことで言うなら、「僕は悪くない」と、判断しているのが間違っていたのだ。


◆結論

モーニングページは、まるで「神との会話」だ。

今、思うのは、内観も同じで、たぶん、神との会話なのだ。心の奥底という、神との会話だ。

僕は、傲慢で気づかなかったが、僕の心の奥の神様は、「気づけ~!」と、ずーっと、サインを送っていたのだろう。

今こそ、内観したい。

今なら、演技の要らない、本物の嗚咽や号泣懺悔報告を、僕はするような、そんな気がする。


ちなみに、内観研修を受けさせてくれたエナジャイズは、内観研修の感想レポートを提出して、その結果、ボスから「太陽は2つ要らないんだよ」との名言をもって、クビになってしまった。


◆〆

ゆかりちゃんは、「もう1回、内観研修に行ってきて~」って言うかも。

「そして、胸に手を当てて、わたしへの傲慢の数々を内観して、わたしにも謝罪の手紙を書いて~」

「そしたら、尊重村に入れたるわ~」

と、そんな、ちょっと傲慢な感想を、きっと言うんじゃないかなぁ~。

僕は、そんなゆかりちゃんが大好きなのだ。


◆コゆ喜

「コメントでゆかりちゃんを喜ばそう」を、略して「コゆ喜」。

とにかく、「コメントで、ゆかりちゃんを、喜ばしていただきたい」という企画です。

ルールは、記事の内容をからめたコメント、という1つのみです。


皆さんにも、ボケていただきたい。

ツッコミを入れていただきたい。

イジっていただきたい。(愛のあるイジりで)

ゆかりちゃんのかわりに、じょーじを、叱っていただきたい。(愛のあるお叱りで)

とにかく、ゆかりちゃんを『笑わしたり』『腹筋をつらせたり』『うならせたり』『感動で泣かしたり』『感心させたり』、なんでもかまいませんので、ゆかりちゃんを喜ばしていただきたいのです。

楽しませていただきたいのです。

コメント欄に、投稿ください。

1週間のコメントの中で、ゆかりちゃんが1番気に入ったコメントの方には、【ゆかりちゃんが最も喜んだで賞】として、私がサポートに行きます! (珈琲でも召し上がってください^^)


今週は、今日、2月18日のコメントからです。(毎週、木曜日スタートの水曜日まで)

この第3回目は、24日までのコメントが対象です。発表は2月26日の記事で!

昨日でおしまいとなった、第2週目の発表は、明日の記事で行ないます~。


ちなみに審査は毎回、ゆかりちゃんの厳選なる独断と偏見となります^^


初めてコメントされる方や、ここを初めて訪れた方も、どうぞどうぞ、ご遠慮なく、参加してくださいませ~。

5週間、なにがなんでも続けます!(現在3週目)

ノーマルなコメントも、もちろん歓迎です^^(ノーマルコメントから選ばれる可能性もあります。なんせ厳選なる独断と偏見ですから)


最後まで読んでいただき、感謝、感謝、大感謝です。





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奈星 丞持(なせ じょーじ)|文筆家
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