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第3話 てへぺろ~
箕輪くんは、奥さんが嫌いのようだ。
「間違いないと思う」と、ゆかりちゃんに言った。
僕は、「箕輪君は、子どものことを考えて、今は離婚はしない。でも、奥さんとは、話しもしたくないみたいだ」と、詳しくゆかりちゃんに説明した。
* * *
昔読んだ本に【好きで結婚するから離婚する】とあった。
「僕にも経験がありわかる」と言ったら、
「あら~? 私のことは、好きだから結婚したんじゃないの~」(ニヤリ)
と、ゆかりちゃんが茶々を入れた。
好き同士で、お互いを見つめ合って結婚すると、嫌いになったからという理由で離婚してしまう。
見つめ合うのではなく、同じ目標を目指す。
見つめるのは、その目標。
その目標をお互いに目指す。共に向かって歩く。
それがパートナー。
それが配偶者。
配偶者とは、横顔を見せて、横顔を見つめるものなんだと思う。
その本の内容を、また説明した。また、というのは、もう何度も語った内容なのだ。
僕は、「何度も言ってるから知ってるやら~」と突っ込んだ。
ゆかりちゃんは、「てへぺろ~~~」と言った。
「80歳代になっても『てへぺろ~』って言えよ~」
「覚えてたらねぇ~」
・・・そう。きっと忘れてるよね。お互いに。
* * *
「わたしは、ゆらぎ期なの」
「なにそれ?」
「調べて、そしてわたしに、優しくしやぁ~」
「お、おう」
調べたら、更年期の別の言い方だった。
おもしろいではないか。
僕は、そんなゆかりちゃんが大好きなのだ。
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