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【小説】ホテルNOBLESSE #9

この記事は小説の下書きです。
小説ですので、固有名詞や人物名は全て架空です。フィクションです。

思いつくままに書き残すメモです。
作品とする際には、当然ですが、書き直します。つまり、この記事は、この記事を読んでくださる方への配慮に欠けています。
本来は投稿などせず、「下書き」として保存すれば良いだけです。

にもかかわらず、あえて投稿する理由は、以下の2点です。
①【メモを残す】という行為を、習慣化したいから
②作品を書くとなった時に、読みやすく(探しやすく)したいから

僕が僕のために書き残すだけなのです。



パートタイマの多くは、誰かが質問するのを待っていた。
2番目以降なら、手を上げやすい。でも、1番目に口火を切るのには抵抗を感じるようだ。

集団あるあるだ、と僕は思った。

志村常務が嫌がるかもしれないが、このモタモタした時間が僕は大嫌いなのだ。

僕は立ちあがって言った。
「なんでも構いません。自由に質問してください。僕は山下さんから質問を6個託されています。ここにプリントアウトして持って来ています」

と僕は言って、クリアファイルをヒラヒラさせて見せた。

「皆さんの質問を先にしていただければ、被っている質問が省けます。だから、最後に質問するつもりです。なので、どなたでも、どんな質問でも構いません。どんどん質問してみてください」

そのように、発言した。

蜂谷さんが、手を小さく上げた。
志村常務や来島社長に、「どうぞどうぞ」と促されて、蜂谷さんは立ち上がり質問をした。

蜂谷さんは、普段、とても無口なので僕は少し驚いた。

「制服は変わるのでしょうか? 今の制服は、脚が開きにくくて作業がしづらいのです」

良い質問だと思った。
時給が、有休が、残業が、という深刻な問題ではない。僕は、プラムさんが「制服を変えようと思った」と小耳にはさんでいた。

案の定、プラムの南さんの顔がほころんだ。
南さんの顔は、お笑い芸人のオズワルドの右に似ている。僕は、そう気づいた。

南さんは、ニヤニヤしながら「変えます。変えるつもりでした」と語り出した。「変えるなら、どんなのがイイでしょうか?」と、逆に聞き返している。
会話は弾んでいるが、僕は、
(実現するのか?)
(予算は大丈夫か?)
(赤字事業だと思うけど…)
(パートさんの意見は、決して1つにはまとまらないけど…)
(チェッカーの制服を、ストレッチスーツにして欲しいのだが…)
などと心配事に思考を巡らせ、
(今は、変わるかもしれない制服話で盛り上がっても致し方ないぞ)
と、妄想を打ち切った。

ここで余計なことを言って、話を膨らませてはイケない。

制服は、いずれ変わるということでその話が終わり、1番前の列に座っていた佐藤さんが手を上げた。

「団体保険に入っているのですが。ブラッシュさんで。それって、今後はどうなるのですか?」

その、団体保険というものに加入しているのは佐藤さんだけだった。
よって、後に正確な回答を行なうということで、この質問はすぐに片付いた。

「ほかにはありませんか?」と志村常務が声をかける。が、反応はない。

「では」と僕が手を上げた。

「山下さんからの質問を読みます。6個ありますので、1つずつ回答をお願いします」と言った。

空気が変わった。
(なんだ。みんな、聞きたいことは山下さん(もしくは僕)が聞いてくれるはずだと、そう思っているのか)

僕は、そう直感した。


10に続く








※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第1441話です
※これも「エッセイの1話」と言い切ります
※僕は、妻のゆかりちゃんが大好きです

PS. 僕のKindle本 ↓『いいかい、タケルくん』【考え方編】です。


読むと、恋人ができてしまう自分に変わります。
恋愛とは、若者だけのものではありません。

人生100年時代。
40代、50代、60代、70代でも、恋愛って必要です。(僕の主観です)
そばにいるパートナーは、誰にだって必要なのです。(僕の感想です)

「考え方」ですから、若者だけでなく中年にも初老にも参考になります。
もちろん若い男性には、モロ、参考になります。
女性にも参考になります。【男の思考】というモノが書かれていますので。

ご一読いただけたら幸いです。


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