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ありふれた高校生と30代-蘇る青春-変わらない「すき」なもの

わたしにとっての「ミスタードーナツ」それはこれまでの人生の中でふたつの青春を過ごした日々を思い出させてくれるもの


あの頃を思い出して車を走らせる衝動に駆られる
それは1年に数回だがそんなタイミングがやってくる

少しかためのオールドファッション
噛む必要がないほど柔らかいフレンチクルーラー
オシャレにチョコ掛けされたチョコファッション
ホイップクリームとチョコがデコレーションされた見た目だけでうっとりするフレンチクルーラー

高校生活とミスタードーナツ


その頃のわたしはふたつのミスタードーナツ繋がりのグループがあって、ひとつは学校生活含め普段からよく絡むグループ。
もうひとつはほど良い距離感はありつつ学校帰りに遊ぶことは滅多にないが「ミスタードーナツ行っとく?」と誰かのひとことで一気に団結力が上がるグループだ。
どちらも2~3人でひとつのグループだ。


テスト最終日や電車の時間までを持て余していたとき、学校から自転車を10分ほど走らせたところにある市内で唯一の「ミスタードーナツ」に到着する


店内で食べて過ごすことが多いが、セールの時など多めに買ってテイクアウトすることも。
休日の朝食にするとちょっぴり特別感となり、おやつにももちろんぴったりなのだ。

当時クラスの子がアルバイトしていて100円チケットをここぞとばかりにまき散らし、それを有難く頂戴して余すことなく活用していた。    
今では貴重なチケットである。

おかけで制服は年々きつきつ。スカートのフックは何度も弾けた。
いや、制服ではなくカラダがパンパンなのだ。

そして時折期間限定のセールがあり全品100円パイ類は120円になるという、今では破価格の値段設定である。
そんな頃が懐かしい

間違いなくわたしの高校生活を彩ってくれていた。


わたしの30代とミスタードーナツ

高校卒業後、大阪で働いて30歳になる前に地元に戻った。
特段理由はないが、大阪時代にミスタードーナツでの思い出は特にない。

地元で働き始め、それはそれは過酷な労働環境のなか癒しの時間となったのが「ミスタードーナツ」である。

前半と後半で1時間どころが3-4時間空き時間が出来ることがまあまああった。
家に帰るには遠すぎるし、一度帰ってからの出勤は完全にスイッチがオフになるのである。

大体、ファミレスやカフェ、車の中で昼寝が空き時間の有効活用。

ミスタードーナツでの過ごし方はというと、もっぱらランチで「汁そばセット」でワンコインくらいで済ませられる。しかもドリンクはカフェオレかコーヒーを選択すれば、どちらか飲み放題となる。
これに好きなドーナツが付いてくるのだから、申し分ない。

仕事の後半戦に向けて大きな活力となってくれていた

わたし流すきな食べ方

お店が10分ほどの場所に移動し、システムも変わった
お店の人に注文する方式から、セルフで買いたいものをトレーに乗せていくシステムだ

これまでの注文方法はお店の人に買いたいものを言って取ってもらうものであった。
お客さんが多くない時は気にならないが、後ろに人が並んでいたりそれなりに声量上げないと声が届かなかったり、お店の人のとるタイミングに合わせて次に頼みたいものを待っていたり、何かと気を使っていたから新しいシステムになって気持ちは楽になった。

だが、新システムはというと種類ごとに透明な扉が閉められていてトレーを持ちながらいちいち開け閉めしないといけない。そして一度前まで進んでもう一度見返したいと思い引き返したいとき、後ろに人がいるとなんとなく引き返せなくなってしまう
結局どちらもしっくりこない
これはこれでわたしもお店もめんどくさい。


わたしは一度にひとつのドーナツを食べない
ひとつを4当分か5当分にカットしてそれを一口ずつ味わうのだ
一回で食べ切るとこの美味しくて幸福な時間が数分で終わってしまうのが、実に淋しすぎる

朝食の前に仕事が終わった後に夕食後の口寂しさを補うため。
そのカットされた大きさがちょうどいいのだ

これが年間で1.2回しか食べないわたしの楽しみ方だ

今では自転車ではなく、車が相棒となり青春の匂いがするあの場所へ連れて行ってくれるのだ

こういうものは続けて食べると身体に悪そうだが、いずれもたまにしか食べない
だからひとくちを贅沢に味わいたいと


時代は大きく変化して、環境も変わりわたし自身も成長しながら変化を遂げてきた

だけど、変わらないもの、変わらない気持ち、変わらない場所がある

だから、わたしにとって代わり映えしない高校生活と少しの時間でも活力源となってくれたミスタードーナツはかけがえのないものである。


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