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せんせい
私が好きな絵本の一つにこんな絵本がある。
この絵本は幼稚園の先生という仕事内容をユニークに表現している、非常に面白い作品だ。そして何より子どもたちが喜んでくれるということもあって私の中ではお気に入りの一冊となっている。
“幼稚園の先生”という仕事は、本当に様々な職業を行なっている。細かく例えると、
怪我をした時→看護師
おままごとをする時→女優
ワークを教える時→国語の先生
お誕生日会→司会進行
歌を歌う時→歌のお姉さん
音楽会→ピアノの演奏家
お遊戯会→大道具•小道具
→衣装
→演出
書類作成•管理→事務
これらに加えて、個人情報の管理や保護者対応、3〜5歳の子どもたちは心身ともに大きく成長していくので、関わり方も考えながら安全を見守っていかなければならない。
勿論、職業を行うといっても、これらの職業の専門家に比べたらかすめた程度ではある。しかし、ここまで様々な職業を1日の間にかすめる仕事もあまり無いだろう。
お遊戯会の期間は特に忙しく、(私が効率が悪いのもある)ほぼ毎日徹夜で衣装を作り、振り付けを考え、4歳の子どもたちに必死に教え、小道具を作っていると、本当にあっという間に1日がすぎていく。
なぜ突然こんなことを誰かに伝えたくなったのか。
それは、友人にある事を言われたからである。
「幼稚園の先生って大変?」
前述を見れば分かる通り、“大変”である。
よく男性や年配の方に「子どもと遊んでるだけ」と言われるがそれはお門違いである。“だけ”ではなく、こんなにも色々な事をしているのだ。
ここで一つ、私は決して「大変でしょ!?!?」アピールをしたいわけではない。社会人なんて、どんな仕事をしていてもその職ならではの大変なことがあるのは当たり前なわけであり、楽な仕事なんてこの世にはないと思っている。
しかし、幼稚園教諭はその大変という言葉は直ぐにやりがいという四文字に変換される。
怪我が治って笑顔になった時、新しい文字が書けるようになった時、相手を思いやることができた時。
大きな行事は時間差で、でもその倍になって返ってくる。例えばお遊戯会では、当日まではものすごく大変だったはずなのに、本番が終わり子どもたちから「凄く緊張したけど凄く楽しかった!先生ありがとう!!」なんて言われたら、それまでの苦労はびっくりするくらい秒速で遥か遠くに吹っ飛んでしまうのだ。
一年目の頃は、何度も学生時代に戻りたいと思った。自由で勉強をしていたら後は何も怒られなかった学生時代に。何度も何度も思った。しかし、戻りたいとおもったことはあっても、この仕事について後悔したことは一度もない。
私は友人の問いに対してこう応えた。
「大変がやりがいに変わる仕事だよ」と。