公務員はなぜこんなにたたかれる?

就活の時期になると、民間志望者と同様公務員志望者が一定数存在してくる。私は後者の人間なのだが、周囲の学生やインターネットからの声は公務員に対して否定的なものが多いように感じる。公務員なんてスキルアップもできないし究極の年功序列社会、転職にも不利、スキル保持とキャリア形成が重要な現代社会において公務員はコスパ最悪の選択だ、というように。
なぜ公務員はこんなにたたかれるのだ?私は上のように思ったことがほとんどない。そもそも転職したいと思わないし。Z世代は転職至上主義であるかように語られるがそう思わない人間だっている。そもそもなぜ転職が主流になっているのか。ジョブ型雇用への接近、終身雇用の崩壊、低賃金や昇給の見込めなさなどだろうか。個人的に、ジョブ型雇用には少し怖さを感じる。適所適材、裏を返せば枠が無ければ適していても働けない。スキルという市場価値を重要視するあまり、市場から外れた無償労働、たとえば家庭内労働の軽視につながることはないだろうか。自分が女性性だからこう思うのだろうか。それにしてもキャリアやスキルアップ重視の社会において、女性とは大変生きにくくはなかろうか。特に出産・育児が目前に迫る女性たち。女性のライフコースについて、私たちの意識も社会制度も一般常識と呼ばれるものも全てが古い。早急に一新するべきであるがめちゃくちゃな時間がかかるだろう。自分がその立場になったらどうなるのだろう、と心底恐ろしい。結婚も子育ても、まだ、怖い。
転職が主流になる理由の中に公務員が該当するものってどれだけあるのだろう。確かに、やりがいがないから転職したいとなった場合は他の職場にも通用するスキルがある方が受け入れられやすい、だからスキルを身に着けられる場所に予め就職したいというのはよくわかる。けど終身雇用は一応継続されているじゃないか。転職したい、と思う人たちにとってはこれが”おもんない”のだろうか。低賃金や昇給の見込め無さは、確かに若いうちはそうかも。けど平均はもらえる。仕事の忙しさは正直民間だって企業ごとにまちまちじゃないのか。私は皆が生きるうえで当たり前の生活基盤づくりに携わりたいと思っている。特に利益の見込めない分野についてだ。民間企業では最低限利益の見込めるものにしか手を出しにくい。某SNSで「役所にお世話になったことなんてない」と有名な人が話していたが、んなことなかろうが。と口走りそうになった。そうやって、普通に生きていたら気づけないかもしれないけれど実は我々が支えていたんですよ、という縁の下の力持ちになりたい。こういった内容は民間企業じゃ携わりにくいことだと思っている。余談だが、かつての知り合いにこの話をしたとき「じゃあNPOにでも就職すればいいじゃん」と言われた。私をマザーテレサか何かだと思っているのだろうか。自身の生活基盤も整えられないのに、善行のみを行い続けられると思っているのだろうか。
公務員っておもしろい立場にあると思う。労働市場ではスキルが無いだの転職に向かないだの言われるが、結婚市場ではまだ人気の職業である。皆、何を求めてるんだ?市場というそれぞれの社会において求められるものが全然違う。よくわからない。いっそのこと、どの社会にも通ずる一貫した指標を用意してくれよ、と思ってしまう。良くないことだろうか。





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