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norinity1103
あいつとの別れ
あいつと別れたとき、私は今の夫の元へ逃げていた。
暴力をされていたこともあり、もう無理だと悟っていたのだろう。
しかし、私は自分がもういいやと思うまで、あいつと向き合おうと決めていたのだ。
決め手となったのは、私にネイルサロンを開く話があったことだ。
これからもっと忙しくなる可能性があったので、
「晩ごはんを作って待っていてほしい」とお願いした。
あいつは「わかった!」と前向きな様子。
あの時はきっと向き合ってくれていたのだろう。
しかし帰宅したらどうだろう。
家事は何もやっておらず、おまけに晩ごはんを作っていなかった。
ダラダラしているアイツを見て、こう言った。
「何してたの?」
もちろんあいつも仕事に疲れていたのだと思う。
しかし、同棲というのはまさに助け合いだ。
その後何を言われたか覚えていないのだが、あいつは外に出ていってしまった。
涙で溢れた私は、何気なくスマホを取る。
そして、今の夫に電話をかけた。
「もう無理かもしれない」
きっと私の心に限界が来たのかもしれない。
その後すぐに夫が迎えに来た。
それよりも以前にアプローチを受けていたということもあり、その夜夫と付き合うことを決めた。
あいつに言えなかったことがある。
「あの時、私に限界を与えてくれてありがとう」