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『コードギアス 反逆のルルーシュR2』感想

アニメ「コードギアス 反逆のルルーシュR2」の感想。
とりあえずしょっぱなから置いてけぼり食らったので、当時「反逆」24、25話すら見せて貰えなかったリアルタイム勢には同情しかない。

反逆のルルーシュR2のここが良い

・前作に引き続き高水準のキャラデザ、メカ、劇伴、OPED
・「偽りの弟」というルルーシュにとってクリティカルな立ち位置となる新キャラのロロ。
・「反逆」に引き続き、要所要所でルルーシュに大きな影響を与えるヒロインシャーリー。個人的には内容を伏せて天子様の懐柔を相談したシーンが好き。
・ルルーシュの物語の終わりとして納得のいく最終回。スザクと共に〆るのは綺麗かつ納得がいく。

反逆のルルーシュR2のここが悪い

・前作未完の負債、虚無の1、2話。「反逆」1話をそのままなぞった様な1話と空白期間を説明する2話。普通だと問題の無い新章の始まりだが、今作の場合この説明を「R2」で行う理由が全く無い上事前にこの説明が無いせいで1話が意味不明なものになっている。どうして「反逆」でここまで描かなかったんだ?という疑問しかない(制作が間に合わなかっただけ)。
・プロットを一切ブラッシュアップせずにそのままアニメにしたと思う程にただ起きる事実を羅列しただけで、厚みも衝撃も無く内容がペラッペラ。前作の目的であったブリタニア皇帝の打倒を成す時ですら盛り上げる演出も行わずサラッと流した。
・メインヒロイン的立ち位置のC.C.とカレンの魅力がない。前作から全話通してルルーシュに一番大きな影響を与えた異性はシャーリーで、C.C.とカレンは「ゼロの協力者」以上の役割を成せていない。C.C.は事実上途中退場なので、パイロットとしての見せ場とルルーシュとの別れが描かれただけカレンの方がマシ。
・他、準レギュラーキャラたちの深堀りが一切されないため、脚本通りに動かされているだけに感じる
・相変わらず戦闘シーンのレベルが低く、殆どのシーンが子供がチャンバラをしているような動き。「ここは俺に任せろ」と言った直後に後ろの味方への攻撃を許したりと台詞と動きが噛み合ってるシーンの方が少ない。ロボットアニメとしての魅力はロボの外見とギミックのみ。
・タイトルになっている「コードギアス」を安売りし過ぎ。ギアス保持者がモブ含め多数登場し退場。原因と思われた教団や皇帝も大きな出来事も無く打倒し、結局物語の収束もギアスと関係無い展開で終わった。

総評

「(悪い意味で)間違いなく反逆のルルーシュの続編。」
前作「反逆のルルーシュ」で散りばめられた伏線を回収し収束させていくのがR2と思っていたのだが、全くそんな事は無く、前作とは異なる主軸の物語がプロットをそのまま映像にしたような形で展開されていった。
世界観や謎の力「ギアス」、物語の始まりと終わりなど一つ一つの要素はとても良かったが、本編で一切触れられてない内容を急に喋りだしたりとメディアミックスを意識し過ぎて、アニメ作品単体としては終始纏まりなく支離滅裂だった。

どう考えても高く評価できる出来栄えでは無く、設定や世界観の作り込みも甘い。極論主役キャラが魅力的にさえ描ければいいを証明している作品。
ガバガバな方がかえって外伝などの新作も作りやすく、長くシリーズを続けられるのかもしれない。

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