旬のホタルイカを満喫。富山・北山鉱泉の一軒宿 《宿泊レポート》 後編
富山の春の味覚といえば「ホタルイカ」。プリっとはじける身と、トロっとあふれ出る濃厚な肝が絶品ですよね。
とれたてを味わえるのは、漁が行われる3〜5月のごく短い期間だけ。富山在住の私もこの季節を心待ちにしていて、毎年シーズン中は旬のホタルイカ料理を求めて居酒屋や旅館をめぐっています。
今回は、ホタルイカづくしの会席があると聞きつけて、富山県魚津市の湯宿「元祖 仁右衛門家(にえもんや)」を訪れました。
この記事では「【春限定】ホタルイカを食べよう」プランでいただける「ほたるいか会席」について詳しくご紹介。前編では宿のことを詳しくレポートしています。
料理自慢の宿で、朝どれホタルイカを味わう
朝夕の食事は、食事処「もんじゅ亭」でいただきます。すべて個室になっているのでこのご時世でも安心。プライベートな空間でお食事を楽しめます。
私が訪れたのは、ホタルイカ漁が解禁されたばかりの3月上旬。3〜5月限定で提供される「ほたるいか会席」をいただきました。
今シーズン初のホタルイカです!
こちらがその内容。キラキラと輝く新鮮なホタルイカに目がいきます。
近隣の漁港から、その日の朝にとれたホタルイカを仕入れているそうで、新鮮さは間違いありません!
献立を見ると、なんとホタルイカを使った料理が7品も!
いろんなホタルイカ料理を食べてきた富山在住の私でも、ここまでホタルイカづくしのメニューは見たことがありません。
ほかにも鱒寿しやお刺身など、富山らしさを随所に感じられる内容なので、県外から訪れる方にも喜ばれそうです。
バリエーション豊かなホタルイカ料理
まず運ばれてきたのが、名物「ほたるいかのルイベ」。生のホタルイカを、軽く冷凍した状態でいただく料理です。
つるりとした食感のホタルイカを生姜醤油につけて、さっぱりと味わいました。
「ルイベ」とは何か清河さんにたずねると、「北海道の郷土料理です。魚を冷凍させて、解凍しないまま刺身にして食べるものですよ」と教えてもらいました。
新鮮なホタルイカは臭みもまったくありません。「沖漬けしか食べたことがない方は感動されます」と清河さんがおっしゃるのも納得です!
日本酒好きな私にとって、ホタルイカはいいお酒のアテでもあります。おいしいお米と水で造られた富山の地酒は、どれを頼んでも間違いありません。
そんな地酒と合わせたいのが「ほたるいか昆布焼」。昆布の上でホタルイカをじっくり炙ります。パチパチという音とともに、磯のいい香りが漂ってきて…。
焼きあがる頃には昆布の旨味がしみこみ、肝がとろっと溶け出していました。地酒もすすみます!
ほろ酔い気分に浸っていると、鍋の出汁がぐつぐつしはじめてきました。
新鮮なホタルイカを、贅沢にしゃぶしゃぶでいただきます。2〜3秒ほどさっと出汁にくぐらせれば、ぷっくりと身が膨らみ、手足がくるんと丸まります(これがまた愛らしい姿でたまりません)。
程よく火を通したホタルイカも絶品です!
コース中盤ですが、まだまだホタルイカ料理は続きます。サクッとした衣に包まれた天ぷらは、肝の旨味と甘味をしっかりと感じられるので、何もつけずに食べてもおいしかったです。
ここで食卓でもお馴染みの「ほたるいか辛子酢味噌」が登場。ふっくらとした大きな身を、シンプルにいただきます。甘めの辛子酢味噌でお口直しです。
そしてシメは、目の前で炊き上げられる釜めし。蓋を開けると、湯気とともにホタルイカのいい香りが…。山の幸もふんだんに使われていて、滋味深く仕上がっています。
途中「食べきれない場合はおにぎりにして、お部屋に持ち帰っていただけますよ」と声をかけていただきましたが、おいしくてつい完食しちゃいました(笑)。
最初は「さすがにホタルイカばっかりだと飽きるかな…?」と思っていましたが、いろんな調理法や味付けで、最後までおいしくいただけました! まさにここでしか味わえない会席だと思います。
一年分のホタルイカを食べたと思うほどの満足感で、お腹も心も満たされました。
ホタルイカが味わえるのは5月頃まで。年間を通してノドグロや白エビ、夏はアワビ、秋は紅ズワイガニ、冬は本ズワイガニのコースもおすすめとのことで、こちらも見逃せません。
旬の食材をお目当てに、季節ごとに訪れたくなる「仁右衛門家」でした。
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