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赤ちゃんがくる。一日眠るごとに、その日が近づいている。あかちゃんがくる。それはつまり、私がワインを飲めるようになる日が近づいている、ということでもある。妊婦にアルコールは厳禁。でも、私はワイン、特にナチュラルワインが大好きなのだ。
赤ちゃんがきたとわかったのは3月の終わりだった。私と信太は直前まで京都、大阪へ出張にでかけていたので、お腹にちいさな命が宿っていることにも気づかずに、それはそれはよく食べ、よく飲み歩いた。
赤ちゃんがおなかのいる。とわかってから、私は家にストックしていたワインを一本、また一本と友人に譲ったり実家に送ったりしていた。妊娠がわかるまで、私は毎晩、食事と共に一杯のワインを楽しんでいたので、家に転がるワインボトルはその時にはもう目の毒でしかなかった。
ある日、いいことを思いついた。ホットワインにすれば、アルコールもとぶし、体も温まるし、妊婦にもいいのではないかと。そう思いついた私は、自宅までの最後の急な坂道を意気揚々と駆け上り、キッチンに立ったままホットワインの作り方をiPhoneで検索しはじめた。
ふいに、こどものころの記憶が蘇った。
私は3歳から小学6年生まで、宮城の森の中に住んでいた。小学校まで徒歩1時間かかる距離で、家の周りにはほとんど民家はなく、家の近くに生えていた樹木には熊の爪痕が残っていた。それほど奥まった場所に暮らしていた。
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