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maishintaの妊娠出産記・全14本 詰め合わせ

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音楽ユニットmaishintaの酒本信太と麻衣が第一子を妊娠したことをきっかけにスタートしたエッセイ14本の詰め合わせです。これから出産される方、妊娠中の方、パートナーとの関係に…
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10月10日の35億年

臨月を迎えました。 臨む月と書いて、臨月。予定日までの日数を数えるたび、その日が近づいていることを肌で感じている。 人は、生まれてくる過程で、35億年に及ぶ生物の進化を経て、人となるらしい。 先日のYoutube動画でも触れたのだけど、3年間で、人の細胞は入れ替わる。卵子と精子が交わってから、約10月10日の間に、35億年の生命の歴史をたどる。僕らの内部で起こっていることは、想像力が心もとないほどに、自由だ。

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雲は、時にメッセンジャーよ

麻衣のお腹は、出産間近の妊婦さんのお腹に比べると少し上にいて、まだこれからという感じがするけれど、生産期を迎えている。 ここまで、順調に、健康でいたことを喜びたい。そして感謝したい。 今日、昼食を食べ終えて外に出たら、雲が、踊るようにして青空に遊んでいた。 想像上の生き物である龍の姿をとって、空を自在に駆け、飛び回っていた。 僕は、麻衣と共に屋久島を旅している時に見た夢のことを思い出した。 2018年2月15日のことだ。

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黄金の月

今日は、月が、黄金だった。台風が過ぎてからというものの、よく月を見ている。数日前の満月も、異様にくっきりはっきりと見えて、その存在感に圧倒された。 散歩の途中、橋の上から7時頃、東の空に現れた月は、大きく、そして発する光の濃さに思わず、息を止めた。 最近、宇宙への興味が、膨らんできてきている。 僕らが、妊娠出産記の用の写真をシューティングするために訪れた天文台で見たプラネタリウムが、そのきっかけだ。

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人は、自由自在だよ

お腹の中にいる期間も、そろそろ終わりを迎えようとしている。 予定日まで、いよいよという期間に入った。 本日、11月7日。 今日という日は、ここ数日の中でも、際立って色合いの濃い日であった。赤ちゃんが来てからというものの、僕たち二人は、この新しい人に導かれるようにして、日々を過ごしてきた。

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赤ちゃん、きてもいいかもしれない

麻衣も昨日のエッセイで、「創作することと、新しい命がやってくることはつながっていると感じる」と書いていたけれど、僕も同じ気持ちだ。 2016年の春に麻衣に出会ってから、僕ら二人は、とにかく純粋な創作をしてみたい一心に、自分たちの集中できる環境を用意して、創作に取り組んできた。 音楽はたくさん作った。小説も書いた。 作品として、形にならないものもたくさんある。 ほとんど毎日、料理をして、自分たちの食卓を作った。 家の小さな花壇にゴーヤを植えて、育て、収穫して食べた。 ソファ

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