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万葉集 藤原の 古りにし里の 秋萩は

藤原の 古りにし里の 秋萩は 咲きて散りにき 君待ちかねて
                      (巻10-2289)
※藤原の 古りにし里:旧都藤原京。現奈良県橿原市から明日香村にかかる地域。
持統八年(694)十二月に新都(その前は明日香京)となり、和銅三年(710)平城京遷都に伴い、旧都となった。

今は古びてしまった藤原の里の秋萩は、咲いて既に散ってしまいました。
貴方を待ちかねていたのですが。

旧都藤原京に置き去りにされた女性が、新都に行ってしまった男性に贈った歌と思われる。
一緒に秋萩を見る約束をしていたのだろうか。
それを裏切られてしまった寂しさを詠む。

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