笠女郎が家持に寄せる歌(12)わが命の全けむ限り 忘れめや
わが命の 全けむ限り 忘れめや いや日に異に 思ひはますとも
(万葉集巻4-595)
私の命がある限り、貴方のことを忘れることなど、できません。
日に日に、想いが増しているのですから。
この歌は、素直にいい歌と思う。
恋人を、一心に恋い慕う。
命の続く限り、貴方が好き。
忘れるなど、無理。
日に日に、どんどん、想いは増している。
甘酸っぱい歌、笠女郎の想いをそのまま詠んだだけと批判する人が、いるかもしれない。
しかし、誰でも、一度は抱いた恋心の「粋」が、この歌にはある。
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