伝道者の書第30話働く者はその労することにより、なんの益を得るか。
(原文:第3章9~11)
3 働く者はその労することにより、なんの益を得るか。
10 わたしは神が人の子らに与えて、ほねおらせられる仕事を見た。
11 神のなされることは皆その時にかなって美しい。神はまた人の心に永遠を思う思いを授けられた。それでもなお、人は神のなされるわざを初めから終りまで見きわめることはできない。
懸命に働く人間は、その労苦に何の益も感じない。
懸命に働いても、苦しいだけで、何の幸せも益もないではないかと思う。
ソロモン王は、それは、神が人間に労苦を負わせる、つまり「試練を与えているため」であると認識する。
「神のなされることは皆その時にかなって美しい」は、かなり重要な言葉と思う。
すべての事は、神が定めた「適した時間」があるという意味になる。
そして、神はそもそも、人間の心に、その有限な人生を超えて考えるべき、大切なことを教えている。
しかし、人間は、その命の短さ、有限さゆえ、神の計画や思いを、見通すことなどは、出来ないと語る。
その人間にとって、幸せな時間が与えられたにしろ、不遇な時間に落とされたにしろ、全て神の計画の中にあると言う意味なのだと思う。
それを理解せず、堕落に走るか、自暴自棄に陥るのか、それも神の試練の中にある。