伝道者の書第146話あなたの若い日に、あなたの造り主を覚えよ。
(原文:第12章1、2)
1 あなたの若い日に、あなたの造り主を覚えよ。悪しき日がきたり、年が寄って、「わたしにはなんの楽しみもない」と言うようにならない前に、
2 また日や光や、月や星の暗くならない前に、雨の後にまた雲が帰らないうちに、そのようにせよ。
人は自分の力だけで生まれ、生きて、死ぬわけでない。
自分と自分を包むすべての力、人であれ、自然であれ、様々な物事であれ、総称すれば神とでも言えようか、それにより生まれ、生きて、死んでいく。
可能な限り若い時に、それに気づくことが大切なのだと思う。
それに気がついてさえいれば、傲慢や無知には陥らない。
老後になって「何の楽しみもない」というような心を閉ざした悲哀にさらされることはない。
また、「日や光や、月や星の暗くならない前に、雨の後にまた雲が帰らないうちに」は、人生における苦難の時期と捉えた。
これも、一人よがりで心を誰にも開かない(神にも開かない)人には、何の解決策も与えられない。
結局、神も含めて周囲が憐れむ中、一人だけで苦しみに陥ることになる。