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笠女郎が家持に寄せる歌(8)わが思ひを 人に知るれや 玉くしげ

わが思ひを 人に知るれや 玉くしげ 開き明けつと 夢にし見ゆる
                         (万葉集巻4-591)

あなたへの想いが他人に知られてしまったのでしょうか、開けてはならない玉くしげの箱の蓋を開けてしまった夢を見たのです。

「玉くしげ」は櫛を入れる箱で、それが開けられる夢は、大切に秘めていた恋心を他人に知られてしまう前兆とされていたので、それを不安に思っている。
なかなか、大伴家持に逢えない笠女郎は、そのような「恋占い」めいたものに心が揺れてしまう。

確実に実るかどうかわからない恋は、どんな時代でも人を不安にさせる。

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