石仏の話(13)無縁仏
死後、家族が無いのだから本来は寺の僧侶など以外は、誰も祀ることの無い無縁仏。
それでも、花があったり供物があったりする。
思えば、無縁とて本当に無縁なのだろうか。
今の自分が生きている時代に、どこかで会ったり話をした人かもしれない。
あるいは生きていない時代であっても、その人はこの世に生きて何らかの事をなして、私たちの親とか世間と何らかの関係があったのかもしれない。
「縁」は限りないと思うし、その意味で本当の「無縁」は無いと思っている。
ただ、血縁ではないとか、面識がないからと言って、通り過ぎるのも、どうかなと思う。
せめて、花も供物も、持ち合わせはなくても、手ぐらいは合わせようかと思っている。